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蛇に睨まれた蛙
【フェチ/マニア 官能小説】

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エクスタシー-1

どこから話そうか?
やはり、あの話は避けて通れないだろうな。
全てはそこから始まったといって過言ではないだろう。何しろ23年間眠り続けた俺のエクスタシーを呼び起こされたのだからな。

我が事務所では、夕方になると生命保険会社のオバチャン連中が顔を出しにくる。いわゆる生保レディーとかいうやつだ。
いつも見慣れている面々だから特に気にならなかったのだが、最近になって見習いをひとり連れてきたのだ。
その見習いというのが、俺のところへやって来た。

「龍一さんですか。よろしくお願いします」と恥ずかしそうに名刺をくれた。彼女の名前は聡美。同い年だった。
闇を思わせる黒い髪、色白の肌にややつり上がった目、丸顔の中に大きな団子鼻、よく見れば鼻の周りのそばかすが田舎臭さを出している。なのに服装は高級そうなスーツ、化粧も濃いめ、香水の臭いだって相当きつい。

もしも普通の男が相手なら、こんな異様な臭いを放射している聡美は近づいただけで嫌がられるタイプだろう。だが、男世界だけで生きてきた俺にとっては、それが逆に新鮮だった。
これが女の臭いなのか…
それとも自分の体臭を香水で誤魔化しているのか。
どこか汗とブレンドしたような妖しい臭い。
そんな聡美のスーツ胸元Vゾーンから漏れるフェロモン臭。
俺の心臓はとたんに鼓動が速くなるばかりか、股間までもがいまだかつてない勢いで、そそり立ちやがったのだ。
い、いかん。自制が効かない。心がロックされてしまう。

この日は、寝不足になってしまった。白い肌、丸顔、若干のつり目、そばかすを散りばめた大きな団子鼻、美人ではないがこれらが草食動物を思わせる母性の強い優しそうな顔を作っている。で、鎧のようなスーツを纏って武装してくる。俺はそんな女戦士の聡美に圧倒されている。いわばこの時から、心に風穴を開けられていたのだ。


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