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溺れる爪痕
【ファンタジー 官能小説】

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幻覚-2

 暗い瞳の中に吸い込まれるような感覚に陥る。

ローブから伸びた両腕が左右のひじ掛けに添えられ、あっという間にシウは背凭れに追い詰められる形となった。

「・・・・なに・・・?」

「何回?」

「え?」

「今のところ何回俺は注意したっけ?」

拘束を解かれたはずの身体がギシリと強張る。

「っや・・・っ」

何かしら言わんと開いた唇は次の瞬間には小さな悲鳴を吐き出していた。

大きな水音が鼓膜にこびりついて離れない。

耳の穴に捩じ込まれた舌が思考を拐うように暴れ回る。

背凭れに押し付けられ身動きも出来ないシウの足の間にアズールの膝が差し込まれ、挟まれたローブの中で小さな身体が飛び跳ねた。

「俺の名前は?」

「っひゃっ、や・・・っ喋・・なっ」

「答えて」

耳に舌を這わせながらアズールが言葉を吐けば、全身にビリビリと電流が駆け抜けていく。

ぬるりとした感触が耳の裏側を這い首筋を擽り、まだ記憶に浅い刺激が彼女を襲った。

「まだ薬が抜けてなかったみたいだね」

散々弄られ敏感になったままの乳首の回りを指先がくるりとなぞる。

「ひあっあっ、だ、って・・・っぜんぜ・・・休んでない・・・っ」

「休ませてほしかったら俺との約束を守って」

「分かっ・・・分かった・・・っや、も、や、だぁっ」

「嫌?腰、動いてるよ?」

「・・・っんあ、あっ」


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