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犬猿の仲
【ファンタジー 官能小説】

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降臨-11

「頼めるか?」

「はへ?」

 おいおいおいおい、だから無防備だっての。
 内心、葛藤中の俺を無視して薫子は金縛りを解いた。
 未だに俺の上に股がっている薫子の桃尻の柔らかさに今更ながら気づく。
 ビクンと反応した肉棒が徐々に硬くなっていき、にわかに慌てた。

(待て待てっ息子よっ。相手は神様神様神様神様)

 呪文のように唱えて気づかれる前に体を起こす。
 目の前には漆黒の髪に縁取られた白い肩。
 なんて綺麗なんだろう……これが神々しいってやつか?
 ごきゅんと生唾を飲んで暫し見とれていた俺はハッと我に返る。

「あっ…と……ちょっと失礼しますよ?」

 背中に流れる髪が邪魔なので、両手でひとつにまとめた。

「んっ」

 出来るだけ肌に触れないようにしていたが、触れないわけがない。
 小さく声を漏らした薫子は、俺から髪を受け取って前に流した。
 うわあ、色っぽい!色っぽいよ犬神様!風呂あがりだったら尚いいよ?!
 俺は心の中だけで口笛を吹いてブラジャーのホックに手をかけた。

プチン

 いとも簡単に外れたブラジャーは薫子を戒めから解く。

「ふうっ……感謝する。どうにも苦しくてな」

「それも慣れですよ」

 それはいいからどいて……剥き出しの肩にキスしたがってる俺と、あんたに入りたがってる息子が暴走する前にっ。
 こんなに俺が我慢しまくっていると言うのに、薫子はブラジャーを外した自分の胸をまじまじと見ていた。

「……のう?これは触ると気持ち良いのか?」

 阿呆!超ド級のド阿呆!!

「だ・か・らっ!俺だって万年発情期の雄なんですって!!マジで犯しますよ?!」

 相手が神様だから何とか留まっているのだ。
 いい加減にしてくれ。

「……考えたのだが……」

 無視かよ!?

「そういう事も含めて人間の事を知った方がいいのではないだろうか?」

「…………はあ?」

 何言い出すのこの人?

「自分が何言ってんのか分かってんのか?!」

 ついついタメ語で怒鳴ってしまったが、薫子は気にしなかった。

「うむ。先程見た人間の交尾は中々興味深かった……ただの生殖行為の他に何かあるような気がしたのだが……知るには体験した方が早かろう?」

 俺は唖然と薫子の後ろ姿を見つめた。
 ツッコミ所満載なのに頭の中で理性と欲望が戦っていて上手くまとまらない。

 ああ、もう……知らねえや……今村ぁ……明日、俺が学校に来なかったら滅っせられたと思ってくれ。

 俺は大きくため息をつくと腕を伸ばして薫子の腰を抱き寄せた。


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