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犬猿の仲
【ファンタジー 官能小説】

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降臨-10

「は?」

 しかも下着姿で俺に股がって顔を覗き込んでいる。

「な、な、なあ?!」

 驚きすぎて意味のある言葉が出ない。
 さらりと流れた黒髪を耳にかけた薫子は物凄く色っぽくて……自然と視線が下がってしまう。
 白いレースの下着に包まれた肢体にゴクリと生唾をのんだ。

「な、な、何か?!」

 金縛りにあったように動けない俺は……って、マジで金縛り〜…情けねえ。

「これならお主も私を犯せまい?」

 にっこりと勝ち誇って笑う薫子……そういや笑った顔見たの始めてだな……可愛いじゃん。

「何なんすか、もう……」

 怒るだけ無駄だと思って諦めたように聞いた俺に、薫子は少しもじもじして視線を反らす。

「さっきも聞いたのだが……この乳バンドの外し方を教えてくれぬか?」

 乳バンド?!

「ぶはっアハハハハッ凄えっ乳バンド!!50年ぶりに聞いたっ!」

 久しぶりに耳にした名称は俺の笑いのツボにはまった。
 笑い過ぎて腹筋が痛い……しかも、動けない分始末が悪い。

「……笑い過ぎじゃ……」

「だって……乳…乳バンドっ……あり得ねえ」

 結構、長い時間笑いの発作に見舞われた俺はヒクヒクとひきつる腹の痛みに涙を流し、薫子は発作が収まるまで律義に待っていた。

「す……すんません……」

「いや、構わん」

 やっとこさ発作が収まり、謝る俺に薫子はぶっすーとして答える。
 なんか可愛いじゃん?言葉と裏腹なその態度にちょっと萌える。

「で?外し方は教えてくれるのか?」

「ああ、はいはい。後ろ……背中側にホックがあるんで、両手を後ろに回して……」

「こうか?」

「あ、後ろ向いてもらえます?そうです……で、指で挟んで……」

 懇切丁寧に説明してみるも薫子は上手く外せない。

「腕が痛い……人間のおなごはこれを毎日つけておるのか……」

 やはり理解しがたい、と薫子は腕を擦りながらグチる。

「まあ、慣れですよね……何だったら外してあげましょうか?」

 冗談で言ったのだが、薫子は肩越しに振り向いてすがるような視線を投げかけてきた。


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