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カラスの巣(短編小説)
【熟女/人妻 官能小説】

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第6話 Doll(ドール)-1

この時、玲子は手を大きく広げながら天井を見上げて、その胸元では、陽一が目を見開きながら顔を埋めて身体を重ねていた。
室内は、まるで時間が止まったかの様に、静かになった。
その中で、お互いの重なりあった身体から伝わる鼓動だけが、時間を動かしてるようだった
玲子は、天井に視線を預けたまま遠くを見るような眼差しで、事の成り行きを見守るしかなかった。
しばらくして、陽一は両手を付いてまま身体を起こした。
目の前の玲子を見て、自分が犯した事の重大性に初めて気づいた。
怒った勢いとは言え、玲子と肌を交わす心の準備はまだ出来てなかった。
その勢いは、自分が初めてである事さえ忘れさせるほどだった。
陽一の険しかった表情も、戸惑いを見せていた。

陽一は、しばらくの間、玲子を眺めていた。
それは、ベッドで美しく扇型に開いた長い髪に、その間から垣間見る白い肌の長い首筋。
少し視線を下げれば、チャイナドレスに締め付けられて浮き彫りになるツンと立った乳房に、思わず手を回したくなるような腰のくびれ。
さらにもう一つ視線を下げれば、陽一を惑わす、スリットから覗く細長い綺麗な脚に、それを包み込む黒い誘惑。
それぞれが陽一の目に、魅力的に映しだされていた。
例え年増の女と言えども、初めてを共にするには、贅沢にさえ思えた。
ここまで事を運ぶのに、少し強引さえ思えたが、その罪悪感を打ち消すかのように、陽一の物はみなぎりだしていた。
目の前の玲子は、気さくなスナックのママでは無く、陽一の欲求を満たす肉体でしかあり得なくなっていた。
その思いが、気持ちを奮い立たすと、陽一はTシャツを脱いだ。
玲子は、天井を見上げたままだが、その脱いだTシャツが顔のすぐ側に脱ぎ棄てられると、陽一の方に視線を送った。
ボクサーパンツだけの姿だったが、その膨らみは玲子の視線を捉えていた。
もう、覚悟を決めるしかなかった。
そう思うと、陽一の視線を避けるように横を向いて、静かに目を瞑った。
その中で、お互いの気持ちがすれ違ったまま、肌を交わす事だけが心残りだった。
陽一とは、気持ちが通じ合った時に迎えたかった。

「はあ・・・はあ・・・はあ・・・・・・」

陽一は、玲子の身体を挟むように両手を付いて、息を荒くしながら様子を伺っていた。
目を瞑り横を向いてる玲子は、まるで拒んでるようにも見えて、陽一を躊躇わせた。
玲子は、覚悟を決めても来ない陽一に、ジレンマを感じてきていた。
思わず、焦らされてるかのように脚を動かした。
それは、陽一を求めてる分けではなく、この状況から早く逃れたい一心からだった。
だが、その脚の動きは、陽一の視界を悩ましく捉えて、本能へと変わって玲子に向かった。

「はあ・・・はあ・・・ママ・・・良いですよね?。ベッドに誘ったのはママですからね。僕はただ、ママに求められただけ・・・全てママが悪いんです。だから・・・ママ・・・ママ!・・・ママッ!!」

再び陽一は、玲子の胸元に抱きついた。
たまらず胸元で頬擦りを始めると、スリットをたくし上げて、黒い誘惑の脚を露わにさせた。
今まで惑わされただけに、まるで仇討でもするかのように、玲子の黒い太ももを何度も摩った。
初めて触るパンティーストッキングの感触だが、その細かい繊維のざらつきが陽一の手のひらを心地よく捉えて、胸を高鳴らせていた。
その繊維が、下半身全てを包み込むかと思うと、陽一はたまらず、玲子の腰を横に捻らせスカートをまくり上げた。
露わになったTバックが食い込む尻は、まるでパンティーストッキングしか履いて無いと思わせて、なぜか陽一の目に美しく映った。

「はあ・・・はあ・・・ママの脚綺麗・・・綺麗だよママ・・・・・・。僕いつも見てたんだよ・・・ママの脚が綺麗だって・・・はあ・・・はあ・・・・・。良い・・・良いよこの肌触り・・・・僕・・・今触ってるんだよ・・・ママのストッキング。はあ・・・はあ・・・これが・・・これがママの全てを包んでるだね」

陽一は、思わず声に出していた。
その声は、正気でも失ったかのようだった。
玲子は、狂いだした陽一を前に、手を広げながら変わらず目を瞑ったままだった。
まるで、人形のように微動だにもせず、陽一に身を任せていた。
身体は許しても、気持ちまでは許す事が出来きなかった。
玲子なりの、微かな抵抗だった。


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