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カラスの巣(短編小説)
【熟女/人妻 官能小説】

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第1話 カラスの女-1

「おい陽一どうした?。もうギブアップか?。たく・・・・・若いんだからもっとしっかりしろよ」

大竹陽一24歳。
とあるスナックのテーブル席で、泥酔してソファーに寄り添っていた。
その隣には、川端と言う50代後半くらいの上司と思われる男が座り、陽一を嗜めた。

「うふ・・・・・川端さんもこれくらいにしたら?。陽一さんだって、そうとう無理なさってるもの」

向かい側には、ノースリーブの黒いチャイナドレスに、同じく黒いパンティーストッキングとチャイナシューズを履いた、全身黒ずくめの50代前半くらいの女が座っていた。
名は三島玲子と言い、このスナックのオーナーだった。
歳は52歳だが、どこか色っぽい流し眼に鼻筋が通った小顔の端正な顔立ちだった。
身体も小柄ながらも細身で、タイトなチャイナドレスに、黒い色も合い重なって、より引き締まって見えた。
玲子は、黒い系統の服を好んでよく着ていた。

「そうだな、そろそろ帰らないと女房が口やかましいからな。ママ、お勘定頼むわ」

「はい。恭子ちゃ〜ん、川端さん達のお願いするわね」

玲子は、カウンターで他の客の相手をしている、20代後半くらいのピンクのチャイナドレスに身を包んだ若い女に、川端達の清算を頼んだ。
スナックでは、その日の玲子の意向により、服装を統一していた。

「おい!陽一!帰るぞ!」

川端がソファーで横になる泥酔状態の陽一に、叱咤するように呼びかけた。

「駄目よ。そっとしてあげないさいよ」

「俺だってよ、早く帰んないと、あのくそやかましいトドに何を言われるか」

「もう川端さんもそうとう酔ってるじゃないの。駄目よ、奥さんの事をそんな風に言ったら」

「く〜・・・・・・ママはやさしいね。俺もこんな奥さんが欲しかったよ。どう?俺ともう一度やり直すって?。ママとなら、あんな女房と別れちゃうよ」

「もう男の人は懲り懲りよ。このまま一人の方が気楽で良いわよ」

玲子は、二度も結婚を経験していたが、どれも長続きはせずに一人身の生活に落ちついていた。
その身の上話をしている時に、若い女が伝票を持ってテーブル席に近づいて、それを差し出した。
川端は背広の内ポケットから長財布を取り出すと、若い女に勘定を済ませた。

「やれやれ、こいつをどうしようかな。うわ!・・・・・・本当にやばい」

川端が腕時計に目をやると、すでに十時半を回ろうとしていた。

「ほら、早く帰んないと、本当に奥さんから怒られるわよ。陽一さんの事だったら心配しないで、少し休ませて終電まで間に合うようにしますから、川端さんは安心してお帰り下さい」

「ちょっとやだな、それじゃあまるで俺が追い返されてるみたいじゃないか。あれ?、ひょっとして陽一の事・・・・・・・まさか今晩!?ママ!?」

「あら?もしかしてヤキモチ?。ふふ・・・・・・そうね、最近男日照りだから、陽一さんにでも慰めてもらおうかな」

「うあ〜、だったら俺も帰るのやめるよ」

川端は、突如向かい側の玲子の横に座り、すがるように膝元に抱きついた。

「あらあら、まるで駄々っ子みたい。ふふ・・・・・・こんな自分の子供と変わらない歳の子相手に何が出来るのよ。はいはい、ヤキモチはこれで終わりにして帰りましょう」

玲子は、慰めるように川端の背中を摩った。

「そうだような、こんなガキに何が出来るかってんだよな」

川端は玲子の膝枕で、目の前で泥酔してる陽一を見ながら答えた。

「ねえママ、今度一緒に温泉でも行こうよ。ママに休みを合わせるからさ」

川端は、膝枕をする玲子のチャイナドレスのスリットをたくし上げると、黒い光沢の脚を何度も往復させながら誘った。
川端の温泉の誘いは、身体を許す関係を求める事であり、今の玲子にとっては冗談でも承諾する事は無かった。
玲子は、その不快な感触を避けるように、川端の手を優しく払いのけた。

「ええ、落ち着いた時にでもいつか・・・・・・」

川端は、玲子の膝元で上目使いで表情を伺いながら聞いていたが、その答えが拒んでいるのは分かっていた。
ただ、玲子を触る手触りに、自分の物がみなぎり出すと、その欲求を満たそうとする気持ちが、川端の心を支配し始めた。
川端は思わず我慢できずに、その欲求を通称『トド』の女房で満たそうと考えると、急いで帰り支度を始めた。
川端にとっては、しばらくぶりの夫婦生活になり、玲子を思い出しながらもトドの中で、何度も果てる事になるのだった。

玲子が川端を見送り店に戻ると、カウンターでは相変わらず、若い女が客を相手にしていた。
それを尻目に玲子は、泥酔して意識のもうろうとしている陽一の向かい側のソファーに戻った。
その玲子の姿は、全身黒ずくめのチャイナドレスの姿も合い重なり、まるでカラスのようにも見えた。
カラスの習性は、光る物を収集する癖がある。
今、玲子の目の前には、若さで光り輝く、陽一と言う男が居た。
その陽一を、自分の巣へと導く遊戯が、始まろうとしていた・・・・・・。


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