投稿小説が全て無料で読める書けるPiPi's World

藍雨
【SM 官能小説】

藍雨の最初へ 藍雨 2 藍雨 4 藍雨の最後へ

藍雨(前編)-3

彼女の歯は、まるで青い花蕾をもぎ取るように、ボクの乳首を囓り始める。その歯の甘美な感触
が、心地よいほどぼくの心を震わせる。

やがて、彼女の唇は、ぼくの下腹部からペニスに向かって這っていく。

薄紅色の唇がペニスを撫でるように含むと、生温かい彼女の唾液とペニスから滲み出る透明の液
が混ざり、鈴口の端から糸を引くように雁首の縁を潤ませる。

彼女の唇がぼくのペニスをすっぽりと包み込むと、ぼくは、悲しげな彼女の吐息をペニスの中の
空洞に切なく感じたような気がした。そして、彼女の淡い唇の微熱は、ぼくのからだの奥深くへ
と溶けていく。

うっとりと瞳を閉じたぼくのからだのすべてが、ペニスを通して彼女に吸い取られ、紫陽花色の
蠱惑へと誘い込まれるのだった…。




やっぱり、ぼくは燿華さんの夢を見ていたのだ…。

ぼくの瞳の中で、燿華さんの頬を流れた雫がまるで夜光虫のように耀いたとき、ぼくは、性器の
奥底に愛おしい痛みとともに甘い嗚咽を洩らし、藍色の雨の仄かな匂いを含んだ精液でペニスの
中を生あたたかく潤ませていた。


ぼくが目を覚ましたとき、年上の女は、すでに衣服を身につけ、鏡の前で口紅を塗っていた。
降り続く雨の音が、ホテルの外で撥ねる音がする。わずかに開いた窓のすき間から、藍色に染ま
った雨の匂いが鼻腔に漂ってきた。


ぼくがからだを重ねた夢の中の女の人は、どうしても燿華さんであって欲しかった。からだの
火照りは、やがて胸が苦しくなるほど恋した燿華さんへの想いを追い求めているのだ。


窓の外の雨はしだいに霧のような粒子に変わり、目の前の風景を白いベールで包み込む。靄に包
まれた黎明の中で、以前として藍色の雨がしとしとと降ってくる。澱んだ外気は、どこまでも
酷薄で、あいかわらずぼくのペニスは息苦しく囀り続けていた。


雨音に違いないのに、その音は、ぼくのペニスを引き裂く燿華さんの手にした鞭の音に似ている。
もしかしたら、あのとき、ペニスバンドを纏った燿華さんが、ディルドの先端でぼくの臀部を犯
すときに飛び散った精液が滴る音にも似ているような気がする。


目を瞑ったぼくの瞼の裏には、彼女の前に跪いた自分の姿が、ぼんやりと浮かんでくる。そして、
ぼくの咽喉からこみあげる彼女への思いは、懐かしい追憶の旋律を奏でようとしていた。


燿華さんに、また会えたら… 

そして、もう一度でいいから虐められたいと言ったら、彼女は怪訝な顔をするだろうか…。
いや、きっと優しすぎるほどの素敵な笑みを浮かべ、ぼくを受け入れてくれそうな気がするのだ。

彼女は、悲しさを秘めたまま笑顔を浮かべ、ぼくのペニスや乳首をハイヒールの踵で踏みつけ、
あのときのように鞭でぶってくれるかもしれない…それは、初めて燿華さんと唇を重ねたときの
ように素敵な瞬間なのだ。




藍雨の最初へ 藍雨 2 藍雨 4 藍雨の最後へ

名前変換フォーム

変換前の名前変換後の名前