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偽りのデッサン
【熟女/人妻 官能小説】

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第29話 ヌルめく身体-1

あれから、数時間は経過していた。
その時間の経過は、裸にも関わらず、ベッドに腰を掛けながらデッサンをしている、慶の体中の汗が物語っていた。
そして、向かい合ってるベッドの上で、同じく裸のままポーズを決めている睦美の体にも、汗が滲んでいた。
この日のデッサンは、今まで以上に長く、濃密だった。
そう、お互いが最後のデッサンと決めていたからだ。
慶も、すでに覚悟は決めていた。
その別れを惜しむかのように、描いている睦美の絵も、今まで以上に精巧だった。
濃淡の表現も繊細で、幾度となく鉛筆を変えていた。
慶が、その鉛筆を変えようと、誤って床に落とした時だった。

カラン・・・・・・

その音と同時に、睦美は倒れ込んだ。
長い時間、裸のまま同じ姿勢で居た為、体に異変が起きたのだ。
慶は、それに気付くと、慌ててスケッチブックを置いて、睦美の方に駆け寄った。

「大丈夫ですか!?睦美さん!?・・・・・。」

慶は、意識がもうろうとする睦美の上半身を起こすと、胸元まで手繰り寄せて反応を伺った。

「あっ・・・慶・・・・・。うん・・・大丈夫よ・・・少し目まいがしただけ・・・・・。少し休めば、直るわ・・・・・。」
「ふふ・・・私も歳だわ・・・もうカッコ悪いったらありゃしない・・・・・。慶も、こんなおばさんと別れて正解ね・・・・・。」

睦美は、意識は回復したが、少しもうろうとしてる為、薄ら目で答えた。

「そんな・・・睦美さん・・・・・。それより大丈夫ですか!?・・・・・。絵の方は、大体出来上がりましたから、大丈夫です!・・・・・・。それよりも、少し休んで下さい!・・・・・。」

「大体なんて駄目よ・・・・・。お願い・・・最後だから・・・私の為だけに・・・今まで以上に素晴らしい絵を描いて!・・・・・。」

睦美はもうろうとする中、慶の腕を捕まえて、訴えかけるように話した。

「でも・・・睦美さんの体が・・・・・。」

「大丈夫よ・・・そんなに私を見くびらないで・・・・・。こう見えても若い頃は、体力だけには自信があったんだから・・・・・。さあ・・・戻って続きを描いて・・・・。」

「睦美さん・・・・・。分かりました・・・それじゃあ、もう少しの辛抱ですから、睦美さんも無理しないで下さい!・・・・・。」

慶は、慌てて向かい側のベッドに戻ると、急いでスケッチブックを持った。
睦美は、気さくに振舞うが、すでに体は限界だった。
それは、睦美の体が汗でヌルめくのを、抱き抱えた時に感じて察していた。
慶は、睦美の体の限界と、絵の完成度の狭間で葛藤していた。

「でもさ・・・平日に描いてるから不倫だって決めつけてるけど、たまたま52歳の男が平日休みで、専業主婦の自分の女房を、真昼間から裸にして描いてるとかさ・・・・・。金持ちのエロ爺を集める為に、ヌードモデルを雇った絵画教室に入会していて、平日に描いた可能性もあるんじゃね〜のか?・・・・。」

戻る事、出版社のオフィスビル。
島野は、隣のデスクの女性編集員に構わず、携帯で仁村と会話を続けていた。

「まあ・・・確かに、お前の言う通りに、全て憶測で言ってる事だからな・・・・・。」

仁村の方は、教室で、すでに授業が始まり、廊下の壁に体を預けながら話していた。
それでけ二人は、話し込んでいたのだ。

「でもさ・・・お前は日記を読んで、そいつが独身だと決めつけてるんだから、モデルが女房の可能性は、低い分けだよな?・・・・・。」

「いやっ・・・直接、独身を促すような事は書いてないが・・・ただ・・・その男に、家庭を感じる内容が、一つも書かれてないんだ・・・・・・。大体、ここのサイトの会員の日記を読むと、自分の女房や旦那、もしくは子供の事を書いているのが多いんだ・・・・。この男の場合、まったくそれに触れる内容が無いんだ・・・・・。」
「むしろ・・・父親と折り合いが合わず家を出たとか・・・死んだ母親の事を、いつまでも想う内容とか、書かれてるな・・・・・。」


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