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偽りのデッサン
【熟女/人妻 官能小説】

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第29話 ヌルめく身体-2

「何だよそれ?・・・52歳の男だろ?・・・・・。まるで、思春期の少年が、盗んだバイクで走りだすような感じだな・・・・・。」

「ふふ・・・まあな・・・夜の校舎の窓ガラスも割ってるかもしれないが・・・お前の思う通りに、その男は52歳にしては、少し子供染みた感じがするんだ・・・・・。」
「俺だって、この歳になって、親と張り合おうと思っても無いし・・・死んでも可笑しくない歳だから、そんなに悲観的にはならないと思うんだ・・・・・。俺だって、まだ40手前だからな・・・52歳の男と比べれば、まだまだそんなに・・・・・。」

「つまりお前は・・・その52歳の男が、歳も誤魔化してると言いたいのか?・・・・・。」

「まあ・・・ハッキリとは言い難いが、その歳になって、趣味で抽象画を始めてる所から、何となくな・・・・・。」

仁村は、長電話に疲れたのか、その場に座り込んで続けた。

「ただ・・・だとしても・・・理由は分からない・・・全ては、憶測だからな・・・・・。まあ所詮は、ネットの世界・・・嘘は付き物だろ?・・・・・。」

「それじゃあ・・・何の為に嘘を付いてるんだ?・・・その52歳の男は・・・・・。」

「さあ・・・何だろうな・・・どこからどこまで嘘なのか・・・すべて真実なのか良く分らん・・・・・。まあ・・・人が生きて行く為には、嘘は付き物だろう・・・いくつもの偽りの世界で生きてるからな・・・・・・。その偽りの中から、本当の真実を探すんだろうな・・・・・・。」

「おい仁村?・・・頭大丈夫か?・・・・・。」

「スマンスマン・・・お前の頭じゃ難しかったか・・・・・。まあ・・・要するに・・・52歳の男がどんな奴でも構わないから会ってみたいって事・・・・・。絵の才能に関しては、最近の新人と比べても、群を抜い出てるからな・・・・・。お前だってそうだろ?・・・・・。」

「お・・・おうよ!・・・て言うか、この52歳の男と会わないと話が進まない分けで、俺の首が飛ぶの・・・・・。お前は、それは分かってる分け?・・・・・。」

「はいはい・・・分かってます!・・・分かってます!・・・・。それじゃあ、そろそろ時間だから切るな・・・・・。」

「おう!・・・それじゃあ・・・って、お前は俺から電話掛けると、いつも長いな〜?!・・・。」

ガチャッ・・・プ〜・プ〜・プ〜・・・・・

慶は、デッサンを続けていた。
睦美の体を気遣う気の焦りからか、体中の汗が一段と目立ち、床にも落ちるほどだった。
それは、体に無理を言わて、長い時間同じ姿勢でいる睦美も同じで、シーツにも染み出ていた。
お互いの汗から放たれる湯気が熱気を感じて、室内は異様な雰囲気に包まれていた。
しばらくして、慶は鉛筆を置いた。

「睦美さん・・・出来ました・・・・・。」

その言葉を聞いた瞬間、睦美は安堵の表情を浮かべながら、再び倒れた・・・・・。


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