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偽りのデッサン
【熟女/人妻 官能小説】

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最終話 液晶テレビ-1

三日後の昼下がり、とあるマンションの一室。
リビングでは、ソファーに座りながら、仁村がノートパソコンに向かっており、誰も注目する事のない液晶テレビからはニュースが流れていた。

『・・・・・・・・警視庁は亡くなったのが木本さんとみて・・・身元の確認を急ぐと共に・・・出火原因を調べている・・・・・続いてのニュースは・・・今朝5時頃、〇〇町の〇〇海岸に・・・・・・・』

あれから、52歳の男からメールが送られてくる事は無かった。
数回ほど、催促を促すメールも送ったが、答えは同じだった。
仁村はその理由を知りたく、何か手掛かりでもと思い、趣味クラブのサイトに繋いで、52歳の男のページを見ていた。
しかし、手掛かりに辿り着く事は無く、三日ほど前に更新された日記が最後で、その時のままだった。
それでも仁村は、その日の日記だけを何度も読み返していた。
その日記に隠された真意となる、52歳の男が思い抱いていた女性に対しての答えを探るべく・・・・・。

しばらくして仁村は、ノートパソコンを閉じり、その横に置かれた裸婦画のコピーに目を通しながら想いに深けていた。
改めてその裸婦画のモデルを見ると、年齢は特定できないが身体は美しく整っており、特に異性に興味を持たない仁村でさえ魅了するほどだった。
仁村は、その裸婦画のモデルと、52歳の男の関係を考えていた。
日記の内容からして、三日前にこの二人が会っていたのは確信的だった。
そして、その間に二人は何を交わしていたのか考えていた。
思い起こせば、52歳の男は、なぜ抽象画を中高年を中心のサイトに投稿したかだった。
趣味で描いたとしても、このようなサイトに投稿するには場違いだった。
そして、突如アップされた裸婦画と共に、日記がそのモデルに対しての心情に変化した事だった。
明らかでは無いが、その時に二人は出会ってる様に思えていた。
さらに、最後の日記に至るまで、二人の心境に何か只よらぬ変化が起きたのだろうと・・・・・。
そして、その只よらぬ事とは・・・・・・。
所詮は、男女の関係・・・二人の間に他ならぬ一線を越えた関係があってもおかしくはなかった。
ただ、その先の壁にぶつかり、それを越えようと52歳の男は、三日前に何かを決意したように思っていた。
その大きな壁となる物が、仁村には見えてこなかった。
その後の行く末さへも・・・・・。
ただ、見えてこない糸を手繰る中で、全てが闇に消えゆるような思いが、胸の内を去来していた。

仁村は、タバコに火を付けるとソファーを立ち、窓の風景に目をやった。
その窓の風景は、冬が深まるのも近づき、雪がチラついていた。
その中で仁村の頭の中に、一つの事が過っていた。
それは、全てが偽りで、52歳の男もモデルも実在しておらず、ネット上での戯言ではないかと・・・・・・。
ただ、あまりにも馬鹿げた考えで仁村はニヤついた。
むしろ、そう思う方が気が楽で思い浮かんだのだ。
しかし、52歳の男には、いくつかの偽りがあるような気がしていた。
仁村はその真意を探ろうと、また裸婦画のコピーに目をやるのだが、その絵だけは紛れもない真実だった。
しかし、今の仁村にとっては、全てどうでも良い事に思えていた。
この先に広がる、52歳の男なる『若者らしき』才能の行く末を目の当たりにして見たかったからだ・・・・・。

『・・・・・・・・紺のスカートを履いて同じく紺のジャケットスーツを羽織っており・・・同署は、男女二人の身元の確認を急ぐと共に・・・自殺や事件・・・事故のあらゆる方面から調べていく方針です・・・・・続いてのニュースは・・・今朝8時頃・・・〇〇市〇〇町の国道〇〇号線沿いにおいて・・・大型トラックと軽乗用車が絡む事故が・・・・・・・・』

相変わらず液晶テレビからはニュースが流れ、窓を覗けば雪が降り注いでマンションを包んでいた・・・・・。








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愛しき人へ

今まで歩んできた道のりを考えれば、容易く越えられるはず

暗闇から手を差し伸べ、救ってくれた人の為にも僕は決心した

明日で全てが決まる

僕は、愛する人の為にも全てを掛ける

その時は、必ず共に歩む事を誓ってくれるだろう

それが叶わぬのなら、永遠のものにしてでも・・・・・


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