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異形の妻乞い
【近親相姦 官能小説】

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第7章 -1

ゆりえの物言いに尋常ならざるものを感じて、不信感を強めた弦一郎は懇意の興信所に彼女の調査を依頼した。
だが、彼女の出自は杳として知れなかった。それが弦一郎の不安を一層かき立てた。仕方なく次に、入籍にあたってゆりえの保証人となった人物、石郷岡充(いしごうおかみつる)氏の調査を依頼すると、驚愕の事実を知ることとなったのだ。
調査依頼から一週間後の夕刻、興信所から連絡があり、弦一郎は夜の会食をキャンセルして赴いた。担当調査員の徳田は、自分の得たのっぴきならない情報にクライアントがどれほど驚くだろうと内心その成果の大きさにすこぶる満足気な表情を滲ませながら弦一郎を個室に招き入れた。そして勿体ぶった深呼吸をひとつすると、
『保証人になった石郷岡氏は、現在のお父上の養子でした。旧姓は向山充と言いまして、彼の実の母親の旧姓は神山早苗と言います』戸籍抄本を見せながらそれが何を意味するのか、依頼主である弦一郎にはすぐに解った。神山はゆりえの旧姓なのだ。
家族と絶縁しているはずのゆりえが縁戚をどうして婚姻の保証人にできるのか―。疑念が沸々と湧いてくる。
『そしてゆりえさんは、神山早苗さんのお兄様、神山富雄氏の娘さんです』そこまで聞いて弦一郎は、ゆりえの言葉が偽りであった事を確信した。そして、彼女の全てを疑わずにはいられなくなっていた。
『つまり、石郷岡氏とゆりえは従兄弟同士、と言う事ですか…。ゆりえは家族と絶縁していると申しておりましたが』
『…疑わしいですなぁ。ただ、ご依頼はここまででしたので、それ以上は調べておりませんが…』更なる依頼を期待するような上目遣いで徳田は弦一郎の表情を窺った。
案の定、弦一郎はゆりえと神山富雄、早苗がまだ緊密に繋がっているのではないかと感じ始めていた。
そして―。ある昏い閃きが弦一郎の頭をかすめた。ゆりえの叔母の神山早苗…前妻の早栄…。字面の繋がりだけだが、早苗は出奔した前妻と何か関係があるのではないか…。
『…徳田さん、もう少し調べて頂けないでしょうか』弦一郎は一頻り思案した挙句、膝を乗り出して、更に突っ込んだ調査を依頼した。


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