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シグナル
【青春 恋愛小説】

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シグナル¨5¨-2

「お待たせー」
「あははっ、水着も信号機だぁ。ちゃんと赤黄青って並んでるねー」
「早く泳ごうよみんな」


織田さんはピンク、葉川さんは緑、そして妹尾さんは黒・・・僕達と同じイメージカラーだ。
3人ともビキニを着用して、葉川さんはパレオを巻いていた。

僕達は円陣を組み、会議を始めた。
人数こそ少ないが端から見れば野球の試合前にやる、ドラマなんかでよく見るあれに近い。

「・・・・・・遥の一人勝ちじゃねえか」
「そ、そんなにあるかなぁ、葉川さんもそれなりには・・・」
「こっち来る時揺れてたぞ。あれは目に毒だ。おい成敏、しばらく俺に貸せ」
「なんで僕に許可を求めるんだ?」

でも会議の内容はちっとも爽やかじゃない。
欲望丸出しの醜い言葉が、小さな輪の中で飛びかっている。

「ほほう、何の話かと思えばそっち系か」
「わっ?!やや弥生?!いつからいたんだ!」

本当にいつからいたのか、織田さんが僕の真後ろで腕を組んで立っていた。
僕達をさげずむ様な笑みを浮かべて、顔を交互に見てくる。

「気付かなかったんだね、話に夢中で。おーい杏子、遥、こいつらと2人きりになんない方がいいよー!」
「どうしてー?」
「特に遥!あんた狙われてるから1人になったらダメー」

けらけら笑いながら走る織田さんを追い掛ける。

「待てよー弥生!」
「きゃー襲われるー!みんな逃げろー!」

僕は女の子達を追い掛けながら、織田さんのよく焼けた褐色のお尻を見ていた。
正直言って胸は、その、あれだけど・・・こっちなら一番なんじゃないかな。
葉川さんは一番色が白くて本当に綺麗で人形みたいだし、妹尾さんはむ、胸が・・・

なんていやらしい事を考えながらも、楽しかった。
皆と一緒に遊ぶのは楽しいだろうなと思ってたけど、心が踊るみたいだ。

「遥ー!!触らせろ!!」
「いいよ。追い付けたらね」
「マジか!よっしゃ、うぉぉぉぉぉ!」

妹尾さんはプールに飛び込んだ。
速人も追い掛けて飛び込んだが、妹尾さんは既に何メートルも先にいた。

「うおっもうあそこかよ?!待てー!!」

速人が泳ぎ始めた時には既に向こう岸に到着する寸前だった。
は、速い・・・泳げない僕からしたら信じられないぞ。

「俺達もいくか、な」
「はっ?!ちょっ、やめろよ賢司、僕はカナヅチだぞ!」
「何言ってんだ、少しは泳げるだろ。大丈夫、もう以前のお前じゃないはずだ」
「やっやめろー!うわー!」

賢司に肩を組まれ、一緒にプールに飛び込んだ。


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