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シグナル
【青春 恋愛小説】

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シグナル¨5¨-1

7月はなかなか予定が合わず、皆で遊ぶ日にちが決まらないまま8月になってしまった。
いつ皆で遊べるのかそろそろもどかしくなってたけれど、それももうすっきりした。

「イェェェエス!!オーイェェェス!!」
「うっさいのよ速人!他の人に迷惑でしょうが!」

速人だけでなく大声で怒鳴る織田さんも、他の乗客に白い目で見られていた。
でも、さ、分かるよその気持ち。中々全員揃わなくて、やっと遊びに行けるんだもんな。

僕達は電車を乗り継ぎプールへと向かっていた。

「楽しみだねー。私、あんまり泳げないけど、水に入るの好きなんだ」
「俺は得意だぜ。クロールなら負けねえぞ」

葉川さんと賢司もテンションがあがってるらしく、泳ぎのジェスチャーをしながら話していた。
僕も泳ぐのは得意じゃないけど好きだから、とっても楽しみだ。

「じゃあ勝負しよっか、賢司くん。私も自信あるよ」
「へえー初耳だな。いいぜ、俺と勝負だ」
「えっ、妹尾さんって泳ぐの得意なの?」
「好きなんだ、泳ぐの。ねえ成敏くんも私と勝負しない?」

運動するのが好きなのはもう知っている。
僕はそれよりも、やけに楽しそうなのが気になっていた。


「ああいや、僕は・・・遠慮しとくよ。今日はちょっとお腹の調子が・・・」
「カナヅチだもんなー。遥の前で恥かきたくないんだろ」
「うっ、うるさい速人っ!」
「それじゃ私と同じだねー成敏くん。一緒に雲見ようか」

結局お喋りは誰も止められず、僕達は目的地に着くまで他の乗客に白い目を向けられ続けた。


入場してから一旦別れて、僕達男グループは男子更衣室に入っていく。

「誰が一番だと思う?」
「そりゃ妹尾さんじゃないかな。泳ぐの得意だって言ってたし」
「だよなー。泳ぐとでかくなるっていうし、意外と着痩せするタイプかもしれないぜ」

速人は何の話をしてるんだ?
誰が一番速いのかっていう質問じゃなさそうな気がする。

「弥生はちっちゃそうだな。走っても揺れないし、形は良さそうだが」
「杏子は意外とありそうだぜ、んでやけに弾みそうだ。歩くとこう水風船みたいに・・・」

2人ともやけにテンションが高いのは、電車の中でそういう事を考えてたからなのか?
しょうがないよね。だって男の子だもん、健全な証拠さ。

賢司は赤のトランクス、速人は青のブーメラン、そして僕は黄のトランクス。
それぞれのイメージカラーだ。


「さあ、あいつらはどんな水着なのかなー」

わくわくしながら待っていると、着替え終わった女の子達がやってきた。


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