若芽の滴-6
汐里は羞恥にうちひしがれ、もう周りが見えてはいなかった……同級生の男子生徒から、何度かスカート捲りをされた事はある……美少女な汐里は、やはり恰好のターゲットであったから、それは殆ど毎日の事であった。
それでさえ、恥ずかしさに顔を赤らめたというのに、今のこの痴漢行為は、汐里の想像しうる羞恥を超えていた。
誰も少女の涙に気付かない。
誰も少女の心の叫びに気付かない。
もう汐里には、この電車の乗客全てが、痴漢に思えてきていた。
アイドルとしての自分を、一人の少女としての自分の“感情”が打ち負かし、体は自らの防衛本能に従い始めた。
頭を左右に振り、震えた呻きが唇から漏れ始めた。
『へえ…痴漢がバレてイイんだ……別に俺達は捕まってもイイんだぜ』
『その時は、オマエの服引き裂いて、真っ裸でオマ〇コおっ広げて皆に見せてやるよ……車掌が駆け付けるまでな』
『そうなりゃ、仕事どころか学校にも行けなくなるな?イヒヒ…』
『有名人になれるぞ〜?街も歩けないくらいのなぁ……』
(〜〜ッ!!!)
完全な脅迫に、汐里の体は硬直した……今の痴漢達の台詞が、単なる脅しとは思えなかった……太股を撫でる手がパンティの中に潜り込み、尻肉を撫でる指が尻の割れ目に潜む肛門に触れ、内股を這う手が清純な果肉の膨らみに触れても、汐里の体は強烈な嫌悪感にブルブルと震えるだけで、噛み殺した悲鳴が唇を震わせるだけだ。
『一人になると“ココ”を弄ってるんだろ?ん?ん?』
『お尻の穴もキモチ良くなるんだよ?フヒヒ…』
『ねえ、自分でするオ〇ニーと、俺達にされるのと、どっちがキモチ良いの?』
(イヤだぁぁぁぁ!!そんなトコ!!……嫌あぁぁぁ!!)
汐里の気弱さを見切った痴漢達は、もはや遠慮無く少女の清らかな体を楽しみ、初めて聞くであろう卑猥な台詞を吐きかけた。
真っ赤な顔をグシャグシャに歪め、ボロボロと大粒の涙を零す汐里の胸元を、痴漢がさらりと撫でると、ジャケットのボタンは安易く外れ、Yシャツのボタンまでが胸を開けた。
その熟練の手はスルリと潜り込み、やはり柔らかなブラジャーを掌に収めた。
『少しだけ……膨らんでるのかな?まだまだ小さいねえ……』
(ヤメッ…!!もう嫌!!もう嫌だあぁッ!!!)
幼気な少女に群がる痴漢達……男達が密集するだけで、小さな少女は周囲から消える……それは痴漢達にすれば、好都合この上ない……体も心も未熟な少女、それは理不尽な脅しすら撃ち破れぬ、ただのか弱い《獲物》でしかなかった。