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若芽の滴
【鬼畜 官能小説】

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若芽の滴-1

「うわ……」

人々の犇めく朝の駅のホームで、少女は一人で目を丸くし、辺りをキョロキョロと見回していた。
傍目から見ても、この雑踏には慣れてないのが見て取れた。
その少女の名は桑名汐里。
少女向けのファッション雑誌の読者モデルであったが、青年誌のグラビアに載ったのを皮切りに、洋服やお菓子のCMに出演するまでになっていた。
しかし、生来の気の弱さから、芸能活動からは今は少し距離をとっていた。
CMもグラビアも、周りの大人達に自分の意思を言えず、指示されるがままに、こなしていただけに過ぎなかった。



やや切れ長な目、鼻筋の通った鼻、薄い唇から覗く真っ白な歯、胸元まで伸びた黒髪。
手足も長く、スラリとした身体の美少女は、押し寄せる人波に居心地の悪さを感じながら、ホームに一人立ち尽くしていた。


成績の優秀な汐里は、県内でもトップクラスの進学校に合格した。それは、普通の学力しか持たない友人との別れを意味していた。
友人は地元の高校へ、汐里は遠く離れた進学校へ……幼なじみと別れた悲しさと、これから始まる新しい生活への希望と不安に包まれ、汐里は少し唇を噛んだ。
純白のYシャツに紺色のブレザー、襟元には真っ赤なリボン。
膝上までの丈の、ジャケットと同色のスカート。
茶色の革靴と、濃紺のソックスと鞄。
ピカピカの新品の制服を纏った少女は、電車を待ちわびる人々に埋もれていった。

やがて、注意を促すアナウンスが流れ、無機質な電車がホームに滑り込み、開けられたドアに人々は押し入った。
今日が初めての通学。人の流れに抗う間もなく、想像以上の圧迫感に顔を歪めたまま、混雑した車内へと押し流された。


(ふぅ…やっと一息つけた……ラッシュってキツいな……)


TVでは見ていた通勤ラッシュ。
その強力な人波の圧力に気圧され、これからの毎朝を思うと、汐里は少し憂鬱になっていた。


「……?」


不意に、汐里の尻に、何かが当たった。
ピクリと体が跳ねたが、勿論、振り向く事も、体を捩る事も出来ない。


(何…だろ?…ま、これだけ沢山いれば、お尻に何かくらいは当たるわよね……)


溜め息をつき、汐里は何食わぬ顔をして、電車の揺れに体を任せた。


「!!!!」


それは〈何か〉ではなかった……再び触れた《ソレ》は、明らかな意思を持って、汐里の尻に触れ、撫で回してきた。


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