魔法使いの告白 5-1
生理が遅れていた。
私は混乱していた。
こういうときに限って残業になる。
イライラしてミスばっかり。
食事も欲しくない。
でも、孝文と別れるなんて考えられない。
気持ち悪い。吐きそうだ。
トイレに入ったら生理がきていた。
ホッとしたら孝文に会いたくなった。
でも。自分からメールも電話もできなかった。
…拒絶されるのが怖くて。
孝文から連絡があった。
最後に会ってから10日が経っていた。
この関係はなんだろう。
あんなに辛かったのに、声をきけば会いたい。
呼び出された喫茶店に入ると、孝文はすぐにオーダーに手をやった。
私はお茶も飲まずに店を出た。
映画も見ないで。
ご飯も食べないで。
ホテルに入った。
私はなにも言わずについていった。
心は絡め取られてまるで抜け殻みたい。
どうして逃げないんだろう、私。
孝文に必要とされたかった。
ただセックスのためだとしても。
そう、孝文に愛されたかった。…抱かれたかった。
シャワーを浴びながら、必死で考える。
なんで。どうして。
全然、頭が回らない。何を考えようとしているのかも。
なにをどうしたのか、分からない。
私は気が付くとタオルを手にしていた。
もうバスルームを出るだけ。
孝文の待つベッドに行くだけ。
孝文は上半身を脱いで、ベッドに座っていた。
部屋は嬌声であふれている。
画面の中の女優は大きな胸をゆらしながら苦しそうな顔で喘いでいた。
私はゆっくりとベッドへと歩いた。
孝文がスイッチを切ると部屋は私が歩いてたてる、微かな衣ずれの音だけがやけに響いた。
押し倒されて、抱きしめられて。気持ちいい。
着たばかりのバスローブはもう脱げていた。
くちづけはゆっくりと深くなっていく。
「ん…ふ…」
舌をからめて。
指が身体を這う。乳房をもまれる。
「あ… ん…ぅっ…」
耳を首筋をくちびるが触れていく。
孝文は全部心得ていて、私はされるがままだ。
私の身体はのけぞり、くちびるの快感に溺れていく。
「ああ… あっ!あ…」
乳首を摘まれてさらに身体が動く。
孝文はなにも言わない。
湿った温もりが勃った突起を包む。
噛まれて、転がされる。
指はさらに下に下りて、水音をたてはじめた。
孝文が顔を上げて私の肩をつかむ。
ぐいっと押されて俯せになる。
腰を引き上げられておしりを突き出した形になった。