魔法使いの告白 5-2
「あっ… あぅ… あっ! いやっ!」
硬いものが入ってくる。
私の快感は不安に変わった。
涙が溢れた。
コンドームをつけて欲しいと言い出せなかった。
「ああ… やあぁ… やあぁぁ…」
不安なくせに身体は熱くなっていく。
気持ちよくて、怖くて。
孝文が深く深く、奥まで突いてくる。
「いやっ! ねっ! イくっ! イっちゃうのっ! 中は! 中はイヤなのっ! あっ!ああっ!あああぁあ!」
中から抜かれたソレが私の内股を濡らしていく。
敏感な部分に吹き付けられていく。
胸にぎゅっと締め付けられるような痛みが走った。
マズイ。この状況だってマズイのに。
…その前にイヤな反動があった。私の中で。
「た…かふみ?」
「わりい、しくった。」
ケロッとした声で言われた。
私はバスルームに走って、下半身を洗い流した。
「うっ… うっ…」
泣いたってしかたない。いつかこうなってしまうかもしれないって分かっていたはずなのに。
いくら洗っても落ちた気がしなかった。
ただただ湯を流していた。
突然シャワーが止まる。
孝文がそばに来ていた。彼が水栓を握っていた。
手を引いてベッドに連れて行かれる。
身体はぬれたままだ。
もう、抱きしめられてもうれしくなかった。
だから、合わせた身体の温もりが辛かった。
どうして、こんな人の体温が温かいの?
キスを落され、私は震えた。
「病院でアフターピルもらってこいよ」
避妊に失敗したときに飲む薬。はやいタイミングで飲まないといけない薬。
私はネットで調べていた。孝文はコンドームをつけてくれないから。でも。
どうして、そんなもの、孝文が知ってるの?
「それ、飲んどきゃ大丈夫だから」
大丈夫だから?
私は孝文がなにをしようとしているか理解した。
もうイヤだった。
「嫌よ!もう嫌! こんな思いはもうたくさん!」
私は孝文を突き飛ばして、起きあがった。
けれども、すぐに私は押さえ込まれた。
ぱしっ!
頬が鳴る。
なぐられた?
私は痛みよりもおどろいていた。