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Friends
【青春 恋愛小説】

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Friends-5

「やれやれ」
僕は腕を組みながらこの喧嘩を見守っている。「やんのかゴルァ!」
「ハッ! 馬鹿馬鹿しい! 何一人で熱くなってんの? 頭大丈夫?」
 まったく、この二人は喧嘩が好きだねぇ〜試合中は仲裁したけど、もうめんどいから見てよ。
「あぁもう俺帰る! じゃあな! 菅谷!」
「あぁじゃあな省吾」
省吾が自転車に乗ると今迄で省吾と喧嘩していたはずの聖がいつのまにか自転車の後ろに乗っていたが、省吾は下りろとは言わなかった。
「聖もじゃあね」
「ぅんバイバイ」
右手を振りながら二人を見送る。
まったく何だかんだで仲が良いね。
「さて、夫婦漫才が終わったところで僕も帰るか」
遠征バックを肩にかけて、僕は家に向かった。

次の日、僕が学校に着き、教室に入ると中には聖が机に俯せになって寝ていた。
僕は聖に近づいて肩をこづく。
「おはよう聖、昨日は仲直りしたの?」
聖は目をごしごししながら答えた。
「ん〜まぁね〜」
「まったく君らは仲が良いね、羨ましいよ」
聖は心底驚いた顔をしたが僕は構わず続ける。
「はっ? どこをどう見れば仲がよく見えるのよ?」
聖は机をドンと叩く。
「ははっ怒んなよ。ほらっ『嫌よ嫌よも好きの内』っうだろ」
「いや…訳わかんないから」
ぽりぽりと頭を掻く。
「でもさ聖だって本当は省吾の事、嫌いじゃないだろ?」
「ん〜まぁね。本当に嫌いだったら喧嘩もしないよ。でも、省吾は私の事嫌いなんじゃない?」
「それは無いな」
僕は首を横に振る。
「あいつは聖の事嫌いじゃないよ絶対」
「何で?」
「乙女の感ってやつかな」
『…………』
やべっ!すべった。
「あっはははっ省吾の奴遅いね」
時計はもう8時5分になってるのに、まだ省吾は学校に来てない。
「あっそう言えばそうだね」
「休みかな?」
「まぁ別に関係無いけど」
その時、廊下から「うおぉぉぉぉぉぉ」と言う声がした。
「何だ?」
声は近づいてきて僕の教室の前で止まる。
「ゼェ…ゼェ…セーフだこのやろう!」
びしっと中指を突き立てて省吾が教室に入ってきた。
「どうしたんだよ遅かったじゃん?」
省吾はゼェゼェ言いながら僕達に近づいてきた。
「…よぉ」
「おはよう。どうした元気無いじゃん?」
「あぁ少しなちょっと考え事がまとまんなくてよ――」
省吾が「ハァ〜」とため息を吐く。
「どうせ下らない事でしょう?」
「あっ! てめぇ聖! もとはと言えばお前の…………いや何でもない」
省吾は何かを消すように、右手を額に当てながら首を横にブンブン振った。
「何よ私が何したっうのよ!」
聖が机を平手でバンッと叩いて立ち上がった。
「うっせぇ! 俺だってなんでこんなに悩んでっかわかんねぇんだよ!」
省吾も聖の机をバンッと叩く。
「っうかさ二人とも昨日の帰りに何があったの?」
「「…………………」」
「何で二人とも黙るんだよ!」
『キィ〜ンコォ〜ンカァ〜ンコォ〜ン』
「…よしっ自分の席に行こう」
「…さて、私も座ろっと」
「ちょ! 二人とも説明しろよ!」
僕の言葉を流して二人は自分の席に座った。
僕も渋々自分の席に座る。
『ガラガラガラ』
教室のドアが開き、先生が入ってくる。先生は軽快なステップで教壇に上がった。
「皆ぁ〜やっぽ〜しぐちゃんだよぉ〜キャピ」
…ったくこの担任は何考えて先生やってんだよ。ちなみにうちのクラス担任は世界で一人のゴスロリティチャーだ…しかも天上天下唯我独尊のぶりっ子。
「じゃあ出席とっちゃうよぉ〜ショウポン〜」
ショウポンとは先生が省吾に勝手に付けたあだ名だ。
「だから何回言えば分かる! ショウポンっうな!!」
 省吾が立ち上がり抗議する。
「む〜ショウポン冷たいょ! プゥ〜」
「っうかお前今年で三十路だろぅが! もっとしゃんとせい…あっ!」
「…ショウポン…ちょっと廊下こようね…」
「先生…ギャグだよギャグ…ほらっ先生はすごく可愛いし…プリティーだし…ははっ」
「早く廊下にこようね…」
「…はい」
省吾の弁解は意味を持たず、省吾は先生と共に教室を出た。


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