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Friends
【青春 恋愛小説】

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Friends-4

椅子に座る。テーブルの上の新聞を手に取りテレビ欄を見る。
「今日は面白い番組はねぇな」
新聞をしまい、テーブルにつっぷす。
「はいっ朝ご飯出来たよ」
母さんが朝ご飯をテーブルに持ってきた。今日のメニューはご飯、味噌汁、シュガートーストだ。
「訳がわからんメニューだな」
まさかシュガートーストでご飯は食えんだろ?
「なぁ…母さ…ハッ?」
食ってる。俺の真向かいに座っている婦人はシュガートーストでご飯を食べている。
「ありえねぇ…」
何で家の家族は異常者ばかりなんだ。
しょうがないのでご飯の上から味噌汁をかける。
「こらっ省吾!意地汚いわよ!」
「シュガートーストでご飯食べてる人に言われとう無いわ!」
俺は味噌汁ぶっかけご飯を一気に食道に流し込み、シュガートーストを一口で平らげた。
「ごちそうさま」
席を立って、リビングを出ていく、と廊下に父さんが居た。
「おっ父さんじゃん。おはよう」
俺が右手を軽く上げながら挨拶すると父さんは身体をビクッと強ばらせる。
「あっ…はいっ…おはようございます」
その言葉も何故か弱々しい。
「あのさぁ父さん、息子にビクビクするのは止めてくれよ」
俺の父さんは対人恐怖症ぽい雰囲気を醸し出している。ちなみに、仕事は姉ちゃんの通う高校の教頭である。
「ぁ…う…ごっ…ごめんなさい…ごめんなさい…ごめんなさい――」
父さんはひたすらお辞儀をしながら謝っている。
「あぁもういいから! 謝るの止めて!」
「ぁっはいっ…ごめんなさい」
まったく、どうすればあんなお喋りな母さんとこんな対人恐怖症の父さんが結婚するんだ?世の中はわからん。
俺はひたすら謝っている父さんを廊下に残して自分の部屋へ向かった。
階段を上り姉ちゃんの部屋のドアを見てみると『実験中入るな!』と書いてある札がかかっていた。
「一体中でなにやってんだか」
姉ちゃんの実験はかれこれ、二年続いている。が、何をやっているかは誰にもしられていない。
『…キョキョキョ…』
…時々、部屋の中から変な声が聞こえてくるがもう慣れっこになってしまった。
部屋に入り、時計を見る。時刻は6時50分、まだまだ出発には時間がある。
ベットに身体を投げ、仰向けになって天井を見上げる。
十分程、天井を見ているといつのまにか聖の事を考えていた。
「…………」
やっぱり、昨日の夜からのモヤモヤは治まらない。
「…俺は別に聖の事を好きなわけじゃない」
 眼をつぶり、誰に言うでも無く呟く。


 …どこからか声がする。
『お前は聖の事を好きじゃないのか?』
「あぁ嫌いでもないがな」
『何故好きじゃないとわかる?』
「だってあいつとは只の幼なじみで…」
『ふむ…ならばお前は聖に彼氏が出来ても素直に喜べるのか?』
「…………あぁ」
『嘘だな』
「…嘘だとしても…どうすることも出来ないんだよ…」
『意気地なし』
「あぁ俺は意気地なしだ」
『意気地なし』
「…うるさい」
『意気地なし』
「…うるせぇ」
『意気地なし』
「うるせぇってんだろうが!」
ハッ!と目を覚ます。どうやらいつのまにか眠っちゃったみたいだ。
「くそっ! 最悪な夢だ! っうか誰だよ俺と話してたの!?」
ベットに寝たまま、壁を思い切り叩く。
「あぁむなくそ悪い!」
ベットの上でジタバタと暴れる。
「ちくしょう! 今何時だよ!」
ガバッと起き上がり時計を見る。
「…7時55分」
学校は8時10分からだ。
「やばっ! 遅刻する!」
ベットから飛び起き、ハンガーに引っ掛けてある制服を着る。
部屋から飛び出し、階段をダッシュで下りる。「学校まで10分だからギリギリ間に合うな」
廊下をダッシュで駆け抜け、玄関で靴を履く。
「行ってきます!」
俺は学校へ走りだした。


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