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Friends
【青春 恋愛小説】

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Friends 続き-1

「だるいわぁ…」
1試合目の一回裏、マウンドに向かう俺の足は、馬鹿な程重い…
ブルペンでのピッチングも球が走ってなかったし、変化球も微妙だったし…
「省吾、今日はコース狙って投げよう」
後ろから肩を叩いて菅谷が話し掛けてくる。
「あぁ…んだな」
俺は菅谷の顔を振り向かずに空返事を返す。


何だかんだで二人はあの後少し時間を空けてグラウンドに帰ってきた。
菅谷はトイレに行ったって言ってた。
聖は先生に仕事頼まれたって言ってた。
俺がそれを嘘だとわかっているのに、二人は何もなかったかのように練習してた。


「プレイ!」

審判が叫ぶ。
バッターは一番左打ちか…俺は右手を後ろにして菅谷のサインを見る。
「内角低めのストレート…か…」
俺はゆっくりと右手を前に出しグローブに収めた。
「くそっ…」
呟く。
いつもよりゆっくりゆっくりと振りかぶる。
「くそっ…」
なぁ、昨日おまえらどうしたんだよ。
「くそっ…」
俺には言えないことなのか…
左足を後ろに下げ、その後にゆっくりと前に出しながら高く上げる。
「くそっ…」

上げた左足を思い切り前に伸ばす。
下半身に体重を乗せ、右腕をしならせる。

何があったんだよ。
何で言ってくれないんだよ。
どうしてだよ。
なあ
なあよぉ…
菅谷…
聖…




「くそがぁぁぁぁぁ!」





俺は叫びながらストレートを全力で投げた。
内角低めなんかしるもんかバッターに当たるなら当たれ、むしろ当たって死んでしまえばいい。
俺は投球が終わるとそのままの格好で下を向いていた。





金属バットの快音がグラウンドに響いた…





「くそがぁ……」


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