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10年越しの約束
【初恋 恋愛小説】

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10年越しの嫉妬-7

「宮木さんに光輝は合わない。あんなヤツ好きでいたって、いつまでも報われないよ?」
「で、でも…」
「どうして光輝なの?どうして他の男を見ようとしないの?宮木さんはいつだって、光輝のことばっかりだ」
「どうしてって…」
(そんなの…自分でも分かんない……)

「どうして俺は、宮木さんの瞳に映らないの?光輝よりも他の誰よりも…俺がずっと…宮木さんのそばに居たのに……」
松田君が掌をギュッと握って、苦しそうに顔を歪める。
「お願いだから、気付いてよっ!俺が宮木さんに優しくするその意味を、お願いだから考えてっ!」
松田君が声を荒げる。
松田君のその一言一言が、私の胸に突き刺さる。
いつからか私は、何も言葉を発せられなくなっていた。

「俺は…宮木さんのことが好きなんだよっ!なんで気付いてくれないんだよっ!お願いだから、いい加減気付いて!」

松田君が私へと向けた沢山の表情や言葉が、私の脳裏に走馬灯の様に蘇る。
(あぁ、私って…本当に鈍い……)
言われて初めてその想いに気付くなんて…自分自身が情けない。
気付いてなかったとはいえ、今までその意味も考えずに松田君と接していた私は、残酷過ぎるほど残酷だったと思う。


『好きなんだよっ!』という言葉は、私の胸の一番奥に突き刺さったの。
そう、それは…
抜こうとしても絶対に抜けない程に、深く…深く……


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