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『限り無く青い春の下で』
【青春 恋愛小説】

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『限り無く小さな俺の中で 後編』-1

ブーッブーッ
俺をいきなり現実へと引き戻す下品なバイブが鳴る。 話に夢中だった俺はその音に過敏なリアクションをとってしまい蒼衣サンに笑われてしまった。
ブーッブーッブーッブーッ
鳴り終わらないのを見ると電話の様だ。 夢をぶち壊した差出人は…リキだ。 野郎、あとで殺す。
「とらないの?電話じゃないんですか?」
…しかたのないのでとる。
『プッ、もしもし?さっさと用件を言え』
『もしもし? なにそのいきなり高圧的な態度は? リキチャン困っちゃう〜』
『用件を言え』
『わっ悪い。 いやさ、部活が早く終わったもんだから学校にまだいるんだったら一緒に帰えんねえかなっと思いまして。 どないでっしゃろ?』
『今は教室。 終わったらこい』
『なんか機嫌悪い? まぁいいや。んじゃ後でぇ。プッ』やっぱ殺す。
「どうしたんですか?怖い顔して… なんかあったんですか?」
「あっ、いやいや、リキが部活終わったからってただそれだけ。 たぶんもぅすぐ来るよ」
「待ってたんですかぁ!? 偉いですね?友達想いですね!?」
「いっいや、そんな大層な物じゃないよ。 ついでだし」
これはホント。 アイツの介入なんて始めから完璧予定外。 ってか今日起った事全部予定外。
「でも一緒に帰るんでしょ? すごいなぁ」
なんか褒める所がずれてるような気が… まぁいいか。
「褒め過ぎだよ。 実際アイツは予定外だし」
ハハハッと鼻で笑いながらそう言っておいた。 下手にウソは言わない方が良い。
「アハハッ、でもホント仲良いですよね? この前なんか田中君、ずっと荒木君の話してましたし。」
「それ前も言ってたよね。俺的には信じられないんだけど…? マジメな話で?」
「うんっ、いつも荒木君の話。 ホントに仲良いだなぁっていつも感心して聞いてるんだ」
「へぇ〜アイツがねぇ。 ま、いいやつだよ?面白いし、かと言って軽くもないし。 …人が聞かれたくない事は絶対聞いてこないし」
「えっ?なんですか?それ?」
「あ、まぁ昔いろいろあってね、ああ見えてアイツ繊細なんだよ」
そうアイツは繊細。 普段馬鹿ばっかやってるけどそれはそれを隠すため。 俺とスグルはその事を知ってるからアイツをいじるんだ。
「…なんか…悪い事聞いちゃいましたね。」
「あぁ、大丈夫だよ。普段ふれなければ。理解ある奴には寛大だから」
「…ホント仲良いんですね?信頼しきってると言うかなんというか」
「やめてよ、恥ずかしいじゃん。 腐れ縁なだけだよ」
そんなに言われると恥ずかしい。 ホント、付き合いが長いだけでアイツに何もしてやれてねぇのは俺だけなんだ。 俺にできるのは理解してやる事だけ。 だから俺はあの二人を立てる
「まぁ、アイツらは俺にはないものたくさん持ってるから、なんだかんだ行って尊敬できる奴らだし俺がアイツらを必要としてるから」
ちょっとくさかったか…? まぁいいやホントの事だ。 この人の前では着ざらず行こう。
「うっわ〜なんか青春って感じですね? いいなぁそういうの」
クスクス笑いながらそう言ってくれた。優しいな蒼衣サンて。


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