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ヴァンパイアプリンス
【ファンタジー 官能小説】

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ヴァンパイアプリンス7-4

「あ-…いいの。聖ってばさぁ、合宿なのよ。期限あるし、二人で行って!!」
「でも…」
「大丈夫!!その分お正月遊ぶから!!」
「うん…。ありがと」
よしッと結は笑って言った。「お熱い夜を。」と。
宏樹にも月下にもその言葉が意味する事が分からなかった。

ー…
「…。」
「宏樹-?入らないの-?」
宏樹は月下の家の前に立っていた。
宏樹にとっては初彼女の家だ。
「お母さんとかいるの?」
「ううん。ウチは共働き。」
「そっか…」
「自転車こっちに止めてね。」
「うん。」
月下はさっさと家の中に入っていくから、宏樹は焦ってその後を追いかけた。
「お邪魔しま-す」
「だから誰もいないってば。」
月下は妙に礼儀正しい宏樹がおかしかった。
「ちょっとここで待ってて!!部屋片付けてくるから!!」
宏樹をリビングに通して、月下は足早に宏樹の前から去る。
「あ、はい…」
宏樹はリビングのベージュのソファーの上にちょこんと腰掛けた。
(…。)
誰もいないとはいえ、彼女の家に二人っきりだ。
(…ダメだ!!何か緊張する!!)
宏樹は気持ちを鎮めるために、リビング内に目を向けた。
(…ここが月下の育ってきた家なんだな〜)
月下のお母さんがコーディネートしたのだろうか…ピンクの淡いカーテンやベージュのソファーが月下のイメージと重なった。
(月下とお母さんはきっと似てるんだろう…)
この部屋にいると、月下を強く感じる。
「ん?」
二階で何やらドッタンバッタンと音がした。
「…月下何やってんだろう〜」
宏樹は必死で部屋を片付けている月下を想像し、笑いがこみ上げてきた。
「お、おまたせ!」
階段を駆け下りる音と共に、ぴょこっと月下が顔を覗かせる。
月下は制服ではなく普段着に着替えていた。
グレーのパーカーに黒のベロア生地のパンツ。
「…何か新鮮だな。普段着とか。」
宏樹は月下の全身に目を動かした。
デート以外での私服は初めてで、宏樹は胸が高鳴る。
「あんまり見ないで。恥ずかしいから!!」
月下は宏樹の腕を引いて階段を上るように促す。
「お茶いれてくるから、先に部屋行ってて-」
「はいはい。」
月下は照れているようだった。
「ここか…」
月下の部屋はわかりやすく、ドアノブに月のプレートが下げられている。
「…月下って兄弟いたんだ…。」
月下の向かいの部屋には太陽のプレート。
宏樹は気になる気持ちを抑えて、月下の部屋に入った。
部屋の中に入ると、そこはもう女の子の部屋。
「…おぉ」
ピンクでウマく統一された部屋だった。年頃の女の子らしく雑誌や化粧品が整頓されていて、ぬいぐるみが可愛らしくディスプレイされてある。
宏樹は部屋をぐるっと一周見渡した。
「写真…」
月下の机の上に、一つ写真たてがおいてあった。
「家族写真だ!!」
そこには父と母の間で笑顔を輝かす月下がいた。月下は月下の母似で、笑い方もうり二つだ。


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