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崩れる日常
【初恋 恋愛小説】

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非日常へ一歩-1

ほんの5分そこらの間、携帯の静寂が煩わしい。
〜〜〜〜♪♪
今日はよく聞くメールの着信音。
この着信音の場合の相手は分かっている。
「おっ!きたきた!」
手に持っていた携帯を反対側まで折れてしまいそうな勢いで開き、期待通りの相手からのメールを開く。
「友達出てったままなかなか帰ってこない。(*_*)
暇だな〜。
ごめんね、付き合ってもらっちゃって。」
すぐに返信を打つ。
相手は意中の人池上さん。かれこれ、夜の十時ぐらいからメールし始めて、三時間ぐらいは経つ。
話題はお互いの事を話し合ったりしながら尽きる事がない。
結構突っ込んだ話もして、自分はこんなに積極的だったか?と首を傾げる。

メールのきっかけは俺からだった。
去年の十一月終わりくらいに高校の修学旅行があった。私立だけあって、ドーンと海外旅行オーストラリア七泊八日の旅。
修学旅行の話自体は別にどうでもいいんだけど、やっぱり旅行に行ったらお土産を買うわけだ。
俺の場合旅行に行ったら、お土産に金をかけてしまうタイプで、バイト先の人一人一人にお土産を買っていった。結構希少だと自分でも思う…。
中学のときなんかお土産しか買わずに自分の分は何も買わずに帰ってくる始末だった。まぁ、どうでもいい話は置いといて。
池上さんに買ってきたのはカンガルーの人形。背中の紐を引っ張るとなんか喋る奴。あの時は恋の病に陥るとは想像だにしていなかったので当たり障りのない物を選んだつもりだ。メールのきっかけはこの人形かって?
残念ながら違う。もうとっくに渡したし。
結構喜んでくれてたなぁ。
じゃあ、なんだと??

…実は池上さんにはもう一個買ってきたものがあった。「お土産」の趣旨からはちょっと外れた、プレゼントのようなものが。


…「あの時は恋の病〜」のくだりの上の文は好きに訂正してもらって構わんよ…。


カンガルーの人形を選んだとき、ちょうど隣にアルファベットの文字をネックレスにしたものを見つけた。特に深く考えずに、「池上千裕」だからCだな…と買ってしまったという訳だ。人形渡すときには変に意識して結局渡せず仕舞いだった。それを今日メールで、「もう一つお土産あるんだ。」
と、なんの勢いかは知らないが送ってしまった。
そのお陰でメールが続いてる訳だからある意味、怪我の功名だな!

…でも「怪我」すんのは今度バイト先で渡すと言ったからそんときだな…。

結局その日のメールは、池上さんの友達が帰って来てからも続き、朝の五時まで続いた。



運悪く?も次の日早速バイトが被ってた。
いつもと違う気分で職場入り。
彼女は俺より先に入っていたから、渡すとしたら帰りか…。
てか覚えてんのかな?
当たり前なんだけど、普段通りな彼女の様子を見てふと思った。
昨日のはもしかして夢かもな…。
一人でタオルを畳みながら、安易に無かった事にしようとしていた矢先。


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