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崩れる日常
【初恋 恋愛小説】

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崩れる日常-2

月日は流れ十二月…。
独り身の俺にゃイベントは関係ねぇ。シフト願いも出さずバイトに明け暮れる日々。例年通りになんの変哲もなく過ごし、年末も近くなったある日、意外な出来事が起きた。

「年越しメール送りたいから、アドレス教えて。」

池上さんがそう言って自分のアドレスを書いた紙を渡してきたのだ。明らかに動揺してたと思う。そりゃ動揺もするだろう。硬派ぶって未だに聞けないでいたアドレスを向こうから聞いてきたのだから。
他の皆にも聞いてたようだったがそんな事はどうでもよかった。
大晦日の夜、こんなにもメールが待ち遠しいものかと、新鮮な想いを抱きながら、何度も時間を確認した。そして案外それは早くに報われた。

新年0時2分に一件のメール。



池上千裕さんからのそれは期待以上の早さと内容のメールだった。
「明けましておめでとう!今私は、実家で家族団欒中です。ちょっとお酒飲んでほろ酔い気分。去年は色々斎藤君に助けられたね〜。灯油こぼしちゃって、灯油まみれになったときは大変だったね〜。(笑)また色々助けてもらうから、今年もよろしくね。」
俺もすぐ返事返したけど、相当焦ったらしく送った後に文がメチャメチャなことに気付いた…。
初めてまともに送ったメールが一番まともじゃないメールになってしまった…。
ちょっと…いや、かなり後悔。
でもこの日から、俺の中で一度失いかけてた何かが今度こそしっかりと芽吹いた。


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