非日常へ一歩-3
好きな人は今いるのか?
「ん〜、気になる人はいるかな〜。」
めげもせずに
学校の人か?それとももしかしてバイト先??
「それは秘密〜。」
ちょっと意地悪っぽく、悪戯っぽく言われた。
好みのタイプは?
「スマートな感じですらっと背が高い人で、優しい人かな〜。」
気のせいか、自分の事を言われているようだった。
バイト先では「もやし」とあだ名されるほどスマート?で身長も180ぐらいある。それに池上さんには積極的に優しく接していたと思われる。それもバイト先の人から、からかいで言われるぐらいに。
それを聞いて暴走の極めつけに
「お〜!なんか当て嵌まってるかも!それじゃあ、もしかして俺にもチャンスはあるのかな??」
送ってから我に戻った。流石に言い訳や弁解のしようが思い付かない。返信ないかも…。
戻す事の叶わぬ時間を逆恨みしながら、携帯の上で頭を抱えてみる。
ぐるぐると頭の中で考えが巡る。
……けど返信なかったらなかったで所詮それまでの…
考え事の途中で頭の下から大音量のメロディ。
音源は頭の下にある携帯。
つまり返信がきたらしい。
ここで自分が招いた、開く事を細胞レベルで拒否させるメールを、本日三度目の大(省略)をして……開く。
「そうだよ〜。いい男になるよう努力したまえ(^o^)」
こ、これは…
つまり…あの質問にこの返信…てことは……そういう事なのか〜!?
分かりづらくて申し訳ない。
でも予想外の返事にリアルにテンパっていた。そっからのメールの内容はよく覚えていない…。
それからの数日池上さんが居るときのバイトや、池上さんとのメールのやり取りが楽しくて仕方なかった。
そしてある日の事…。
今日はバイトは休み。池上さんとのメールは夜10時ぐらいからの日課になっていたが、今はまだ午後の2時ぐらい。
それでも俺はウキウキしながら自転車を漕いでいた。向かう先は…
池上さんの家である。