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月の裏側
【調教 官能小説】

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回想-2

「では始めよう。」柳さんはカバンをあけ、何かを取り出していた。
振り返った柳さんの表情が変わった気がした。

近づこうとすると、「そこに立ちなさい。」と言われた。
すがりつこうとする美月を柳さんの手に持った乗馬鞭が阻んだ。
美月は立ち尽くしていた。
「美月が言っていいのは、”はい”だけだ。」と鞭を美月の方に当てて
柳さんは言った。

「脱ぎなさい。」
躊躇していると、鞭が腰のあたりを触る。
「脱ぎなさい。返事は?」
美月は、小さな声で「はい」とこたえ、ファスナーを下した。
ワンピースは、ストンと床に落ちた。

「脱ぎなさい。」とまた言われる。
抵抗することはできなかった。怖かったとかではない。
ずっと憧れていた世界だった。

全裸になり、胸を下腹部を隠していると、鞭が両手をこじあけた。
そして、赤い長い紐をカバンから出し、短い時間で、美月の体に
縄をかけた。
「これは亀甲縛りというんだよ。見た目がキレイだろう。」と言われた。

美月は、縄酔いをしていた。
10代のころから縛られてみたかった。その願望がもっとも美しい
亀甲縛りという形で実現していた。
ヴァギナは、もちろん濡れていた。

柳さんは、鞭で美月の体を触った。
乳首や乳房、お尻、腰、全てを冷たい鞭が撫でた。
美月は、勇気を振り絞って声を出した。
「指では触らないのですか?」と。
声を出したことに怪訝そうな顔をしたが、柳さんは答えた。
「直接触ることはしない。
そう、それと僕は、基本挿入もしないから。」と。

美月は、眩暈を覚えた。
SMというのは、こういうことなのだろうか?
自分が今いる世界は、SMのスタンダードなのだろうか?
考えてもわかるはずなどなかった。


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