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月の裏側
【調教 官能小説】

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プロローグ-1

2年前 春

美月は、40代も半ばとなり、女性として求められることもない日々が続いていた。
性的なことだけではなく、自分自身も自分が女であることをあまり意識しない日々というのだろうか?そんな日々を過ごしていた。

結婚を機に、生まれ育った関東から関西に移り住み、いくつかの会社でキャリアを積んで、現在は、大阪が本社である商社の内部監査室で仕事をしている。
夫は、数年前から海外赴任をしており、二年前には一人娘も東京の大学へと進学し、一人で暮らす日々であった。

仕事は忙しかった。監査計画に基づき、全国の支社を回り監査をしていた。
本社から監査が来るというと、支社や営業所は、身構える。当たり前だ。
敵のような態度をとる社員もいれば、無駄にへりくだり、ご機嫌を取る社員や
支社長もいる。舐められないようにと美月自身も気を使った。
本来はそこまで堅い性格ではないが、あえて、とりつくしまのないような
近づきがたい雰囲気を出すように意識していた。

もうすぐ45歳の誕生日を迎えるという時期に、東京の支社への内部監査に出向くことになった。コロナ禍であっても、オンラインで済ませることもできない仕事であった。
夜は、久しぶりに娘と食事をする約束だ。不安な時期ではあるが、娘との久しぶりの再会を楽しみに新幹線に乗った。



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