何かが来る-5
――気持ちよく抱きしめられて、優しいキスも、胸の愛撫も‥
≪このまま彼にあげちゃうのかな≫ もう、そうしているのかもしれない。
そうっと体の中に入ってきたものが、エッチな中で出入りを繰り返している。
≪これがセックスなんだ≫ 彼に身を任せ――
≪って、何言ってるの≫
あたしは足を突っ張って、あわててお湯から離れようとしました。
浴槽の縁に肘を立てて、足をばたつかせて泡の中から脱出しました。
栓を開けて浴槽のお湯を流します。何かがいるなら引きずり出してやります。
そして、減っていく泡の中に、だれかが潜っているわけもありませんでした。
あそこに入れられてるような、感覚も消えていました。
シャワーで泡を流して飛び出しました。
≪でも、これって絶対に水だけじゃない。水の勢いだけでこんなことができるわけがない≫
確信はありませんでした。
≪今日は最低≫ 髪を乾かすと、早々に寝ました。
嫌なことは気になって、逆に繰り返すことがあります。
また夢を見ました。
あたしはそっと浴槽の中に入っていきました。中にはマイがいます。
――― マイは目をつぶり、肩まで湯につかっている。
あたしは開いた足の間に滑り込むと、泡の中に消えたマイの乳房を探った。
まだ固さののこる乳房を、湯の揺らめきのようにそっと撫でる。
マイが自分で触り始めた。それに合わせて、あたしもその頂上をこすってやる。乳首が立ってくる。
≪そんなことしてるから、こんな夢を見るんだよ≫
指の先で刺激してやると、マイはほっと溜息を洩らした。
≪そうだ、気持ちいいだろう≫
入浴剤のおかげで滑りがよくて、さわり心地もいい。
つややかな腹筋と縦長のへそ、その下の張りのある腹へ、手をすべらせていった。
マイが目をつぶったまま、反り返る。下腹部が泡の中から浮き上がってきた。薄い金色にも見える申し訳程度の陰毛が見えてくる。
アトランティス大陸の復活のように、その下の恥丘が顔を出し、泡だらけな溝につながっていった。
舌を伸ばし、溝を縦になめてやる。
もういちど、力をくわえると少し深くをなめる。
もういちど。
下から尻を支えて、濃厚なキスをくりかえした。
マイのあったかい息づかいが聞こえる。
あたしはそっと身を起こすと、マイの秘部を探って、ゆっくり、ゆっくり、指を挿入した。
あったかくぬめる壁が締め付けてくる。
やはりきつい。きついが、温かくほぐれて力が抜けた分、柔らかく行為を受け止めていた。
あたしは実体化していない。だから何をしようとマイには見えていないし、ほとんど感じもしない。ただ、必要に応じて一部を半物体化させる。
それは泡のように柔らかいものから、張りつめたイチモツほど硬いものまで自由だ。
今はマイを傷つけないように、柔らかく、ゼリーのような指にしている。
入れたままおおいかぶさり、抱きついて、しばらくふたりで泡の中に浮いていた。
尖った乳首にキスをして、吸う。それから軽く開いた唇にキスをした。
マイは唇を少し舐めた。