「背徳と退廃・花嫁Mの手記」-39
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それから半年後、わたくしの両親と教授のご夫妻だけが参列する結婚式をワイキキの大聖堂で挙げたのです。
パパやママは著名な大学教授の息子さんとの結婚を心から祝福してくれていました。そんな両親を欺いての偽装結婚です。娘としては申し訳なくて心が痛みましたが、少しの躊躇いもなかったのです。
新郎となる祐樹さんは身体がヒョロッとしたモヤシっ子のような印象でした。教授と本当の親子なのかと疑いたくなるような線の細さなのです。物静かで弱々しい性格の方のようでした。
形だけであっても新婦になるわたくしのことに、まるで興味を示されないんです。これほど男の方から関心を示されない経験がないくらい、わたくしの美貌もボディラインもご覧になろうとされなかったのです。ちょっと不思議な方でした。
総レースの純白のウェディングドレスを身に纏ったわたくしは、天上から舞い降りた妖精のように妖しく、溜息が出るほどエレガントで、マリー・アントワネットのような気品を漂わせて、ハワイの目映い陽光を浴びていました。
「信じられないくらい優雅よ。ほんと陸に上がった人魚姫みたい」
ママは一生一度の晴れの舞台に立つわたくしの姿に涙を流してくれました。
「美優はパパの自慢の娘だよ」
タキシード姿のパパは大聖堂の入口に立って、バージンロードを一緒に歩いてくれたのです。
マーメイドラインの華やかなウェディングドレスでした。胸元から太腿のあたりまでが砂時計のようなわたくしの体型にぴったりとフィットするように誂えたタイトなウェディングドレスです。肩や鎖骨の出るオフショルダーで、フィッシュテイルの裾が後方に長く広がっています。
もちろん首には教授から頂いたチョーカーを嵌めていました。教会の祭壇に立つ時も、チョーカーを外すつもりはなかったのです。
世界一美しく、華麗で、気高く……でも本当は世界一淫らで、背徳的な、神をも冒涜する花嫁だったのです。透かし彫りのウェディングドレスの下は、外見の華やかさからは想像出来ない猥らな格好をしていたんです。
教授がショーツを穿くことを許して下さるはずがありません。わたくしもその覚悟はしていたのです。
実は宿泊しているホテルから教会に出発する一時間前に、一階上のフロアの教授ご夫妻の部屋に呼びつけられたのです。
「実に美しいよ、美優……他に言葉が見つからないほど美しい花嫁だ」
教授はわたくしの純白のウェディングドレス姿に目を細めて感嘆してくれました。
「おまえにはもったいないような、素敵なドレスね」
教授の奥様の言葉はいつも辛辣です。
「ドレスの裾を捲り上げて見せなさい」
教授から命じられ、わたくしは長いドレスの裾をたくし上げました。純白のガーターストッキングを膝の上まで穿いているだけで、最初からショーツは身に着けていなかったのです。恥ずかしい繊毛のけむる花嫁のVゾーンをお二人にそっくり晒していました。
「ふふっ。ショーツを穿いていなかったのは感心だが……」
「ああっ、教授っ……それを?」
教授が左手に持っておられた媚薬ゼリーの入っている紫色のガラス瓶に目が釘付けになりました。結婚式を挙げようとしている花嫁の谷間に塗り込むおつもりなのです。
「いつもの3倍は塗ってやろう」
教授は二本の指におびただしい量の媚薬ゼリーを取って、わたくしの秘唇に塗りつけてこられたんです。二本の指をそのまま膣穴に挿し入れ、膣奥にまで塗り込んでこられたのです。
膣襞は異様なざわめきと峻烈な疼きの予感に狂い立っていました。
それだけで済まして頂けると思っていたのですが、奥様は媚薬ゼリーをたっぷりと塗した男根の形をしたディルドをわたくしのアナルに挿し込んでこられたのです。バイブを内蔵した禍々しい疑似男根でした。
「おまえのアナルはわたしのモノよ。わたしの自由にさせてもらうわ」
奥様はそうおっしゃって、リモコン操作のバイブを試しに作動されたんです。
ヴィ、ヴィ、ヴィーンと猛烈な震動が腸襞から子宮に響き渡ってきました。