インクブス・ゲーム-5
アミの体の中で、ひそかな火が付いているのがわかる。本人にそれを気づかれないように視線を外した。
地下牢に降りた。牢といっても広い地下室で。しばりつけるための柱が何本かあるだけだ。
「ここは何世紀もの間、多くの囚人がつながれていた」柱から伸びるくさりの端の無骨な手かせを見せた。
「では、これに着替えて」灰色のひざ上までの丈のキャミソールのワンピースを渡す。
「地下牢でそんな可愛い服はあわない。ブラも外してくれるか。ここでそんなものをつけて拘束された者などいない」
「もう、本当に無理。マネージャーを呼んで」さすがに抵抗する。
「アミさん、約束でしょ」メイク嬢がしかりつける。
ふくれっ面だったが、着替えに行った。
「なにを約束したんだい」抱き寄せた。
「私プロデューサーととても仲がいいの。だから仕事をこなせる人になら、映画の話なんかもお願いできるわよと言ってやったの」
「とてもいい仲かい、こんなふうに?」 尻にさわってやる。使える女は大好きだ。
メイク嬢は笑って腰をくねらせた。「卑猥に叫ばせてやって」
「わかった」
アミが恥ずかしそうに戻ってきた。
「やっぱり、この方がいいわね。すごく魅力的よ。シャドーを濃くして、ルージュも赤に変えたら、印象的になるわ」アミのメイクを直して、サンダルと靴下も脱がさせると、送り出した。
手かせをつけて、柱のかたわらに横たわらせる。
「さあ、しっかりイメージするんだよ。 お前はここで何週間もとらわれている。さあ、私に助けてくれと言ってみろ」カメラを構えながら言う。
アミは戸惑って、かたまっている。センスのない奴だ。
「救いを求めろ。体を差し出して助けてくれと言うんだ」
「たすけて」やっと言った。
「それを態度で信じさせてみろ」
「どうすればいいんです」
「自分で考えろ。その体を差し出してみろ」
アミはカメラを見上げて、「どうか助けて下さい。私を好きにしてください」
「まだだめだ。もう一回、もっとひわいな言葉を使え」 何度も言わせる。
最後には叫びだした。 「私を犯して。鎖を解いてくれるなら、どんなことでもします」
「どんなことでもとはなんだ」
「私に触って、それから抱いて‥」
そのショットは、たしかに囚人が前のめりに解放を願っていた。
見上げる緊張した顔の下、大きく開いた襟ぐりから、はかなげに張り出したかわいい乳房と、乳首までがのぞいていた。
長い間ここにとじこめられ、体をもてあそばれているのだろう。
相手は城主か、それとも醜い牢番なのか。
やがては、何人もの兵の間を回されるのかもしれない。そんな妄想を抱かせる。
細い肩ひもを引きちぎってやりたくなってくる。
「それが犯されることだと思っているのか」怒鳴りつける。まだ解放するのは早い。
「ああ、あそこに入れて。あなたのものを突っ込んで」こんな少女の口から出ていい言葉ではない。
「あそこだと、どこのことだかわからないぞ」
「ここにいれて」ワンピースのすそを、ショーツの見えないぎりぎりまでたくし上げて、尻を振る。
それを前から、後ろから撮る。