(3)疼きだす麻里子の身体-2
「やっぱり先輩って、絶対ドSですよね?」
「そっ、そうかしら、そんな事無いわよ」
麻里子は典子にそう言われて一瞬ドキっとした。
実は麻里子はSっぽい外見と言動にも関わらず、自分がMかもしれないと自覚していた。
もちろん、これまで本格的なSM行為をした事は無かったが、これまでの彼氏とのセックスでも少し強引にされたり、乱暴にされるといつもより感じてしまう程度のものだったので、そこまで強い思いではなかった。
しかし、この店に入ってステージ上の磔台をはじめとする様々な物を見て妄想するのは典子の言うような「責めている麻里子」ではなく、「責められている麻里子」であった。
磔台に縛り付けられ、少しずつ服を脱がされていく。
抵抗しようにも磔台に拘束された手足はビクともしない。
いつの間にか下着を通り越して全裸にされている。
大勢の客に自分の裸体を見られてしまう。
嫌なはずなのに、恥ずかしいはずなのに、なぜか股間はしっかり濡らしてしまう。
そして、股間が丸見えになるように拘束されて、恥ずかしくいやらしい液体で濡らした股間をしっかり見られてしまう。
さらにはいやらしいおもちゃで責められる。
感じて、いやらしい声を出して、最後には絶頂を迎えさせられてしまう。
「先輩ぃ・・・」
典子に声を掛けられても妄想に夢中な麻里子は気づかない様子だった。
「先輩?先輩っ!聞いてます?」
「えっ!?」
どっぷりと妄想の世界に浸かってしまっていたせいか、典子の話をうわの空で聞いていたらしく、急に呼びかけられた麻里子はハッと我に返った。
「どうしたんですか?」
「どうしたって?」
「なんか、様子がおかしかったですよ。返事も生返事だったし」
「ご、ごめんなさい。ちょっと飲み過ぎたのかしらね」
「そういえば顔が真っ赤ですけど、大丈夫ですか?」
確かに麻里子の顔は上気し、顔は真っ赤になっていたが、それは飲み過ぎだけが原因と言うわけではなかった。
(濡れてる・・・)
妄想にふけるうちに麻里子の股間は熱く疼き、さらには自らが分泌したいやらしい液体で濡らしてしまっているようだった。
(こ、これは濡れちゃってるな・・・)
確証はなかったがかなり濡らしてしまっていそうな勢いだった。
「ちょっとトイレに行ってくるわ」
「一人で大丈夫ですか?」
心配そうに典子が見てくるが、それどころではなかった。
「だ、大丈夫よ。すぐに戻るから待っててね」
麻里子は少し内股になりながらトイレに急いだ。
「ふぅ・・・」
個室に入るとまずは下着を下す。
「あぁ・・・」
元々麻里子はパンティライナーを使用していた。
そのパンティライナーが大分重く感じられた。
(なんていやらしい・・・)
少し薄暗いトイレの照明でもそのパンティライナーが吸収しきれずにテカテカといやらしく光っているのがわかるくらいだった。
(どうしよう・・・)
替えのライナーはバッグには常備してあるのだが、まさかこんな事になるとは思ってもいなかったのでバッグに入れたままだった。
(今日はなんだかおかしいなぁ・・・)
この感じだとまたすぐに濡らしてしまいそうだった。
このままパンティライナーをつけたまま下着を履くか、それとも下着を濡らす覚悟でパンティライナーを外しておくか・・・。
(どうしよう・・・)
(ライナーをつけたまま下着を履くか、外して直に下着を履くか・・・)
(あまりモタモタしているのも怪しまれるし・・・)
既にそのライナーは再度股間に当てるのを躊躇するほど湿り気を持ってしまっていた。
麻里子は意を決してパンティライナーを外すとその下着を再び履くことにした。
(こっちも処理しておかないと・・・)
麻里子の股間はまだ濡れていた。
麻里子はそちらもトイレットペーパーで拭く。
「あぁっ・・・」
拭くことで股間の微妙な部分が刺激されてしまう。
しかも、濡れている部分は即ち微妙な感じやすい部分だった。
(とりあえず時間もないし、拭ける範囲だけでも・・・)
時間のなかった麻里子は拭ける所を速やかに拭いて下着を履いた。
手を洗うと麻里子は典子の下に戻った。
典子は暇そうにしているかと思いきやバーテンダーと楽しそうに話していた。
「お帰りなさい」
麻里子に気づいた典子が明るくそう迎えた。
「何を話していたの?」
麻里子が典子に問い掛けようとした時に店内の照明がさらに落とされた。