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「大人の雰囲気のバー」
【SM 官能小説】

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(3)疼きだす麻里子の身体-1

「ここは禁煙なんですか?」
様子を探るように麻里子が当たり障りの無い質問を切り出す。
「はい。やはり女性が少しでも入りやすいようにと言う事で基本的には禁煙にしています。一応、喫煙スペースはあります。お客様は吸われます?」
「いや、私達は吸わないです」
「そうですか」
「結構混んでいるんですね」
「そうですね。毎週金曜日はイベントがあるので、それなりに混みますね。他の日はそれなりですね」
「そうなんだ。ところでイベントって何があるんですか?」
「それは見てのお楽しみですよ。この席ならきっとよく見えるし楽しんでいただけると思いますよ」
「えっ、そうですね。楽しみにしておきます」
無難な会話が続いた所で注文が入ったようで、バーテンダーは会釈をして会話から外れていった。

「先輩、お客さん増えてきましたね」
「そうね。あらぁ。あれはすごいわねぇ・・・」
時折、パンツが見えそうなくらいのミニスカートだったり、ものすごく高いピンヒールを履いていたりする客がやってくる。
空調が効きすぎず程々なのはそういう人達に配慮しているのもあるのかもしれない。

「ねえ、先輩はああいうヒール履いて、革のボンテージ着て、ムチでも持つの似合いそうですよね」
典子がまた失礼な事を言うが、麻里子もまんざらではなかった。
「ふふふ、典子ちゃんもムチで叩いたら良い声で鳴きそうね」
「ひぃ・・・。お許しください・・・」
典子がふざけておびえるフリをする。
「・・・」
しかし、その後、典子は急に顔を赤らめて黙ってしまう。
「どうしたの?」
麻里子が不審がって典子に声を掛ける。
「で、でも、私、先輩にならムチで打たれても良いかも」
酔っているせいなのか、本気なのか冗談なのか分からないがそう言って麻里子を見つめる典子の顔は真っ赤で少し色っぽかった。
「えっ、あっ、あらあら、何言ってるのかしら、この子は」
麻里子は典子の仕事では見せることのあり得ないそんな表情にドキッとしたがすぐにそう冗談っぽく返す。
(この子は見た目と同じで中身もMなのね・・・)
麻里子にはそういう経験はどちらも無かったので実際に自分がどっち側の人間なのかははっきりと実感はしていなかった。
しかし、普段周囲から「Sっぽい」と思われている事はある程度想像がついていたが、自分では自分が「S」であると言う認識は無かった。
(私もどちらかと言えば、受け身側のような気もするんだけどな・・・)
お酒が入ったせいもあるのか、素直に自分の事を表現できる典子が少し羨ましくもあった。

「やっぱりテンちゃんはドMでしょ。あんな格好したら似合いそうね」
少し動揺したせいか同じような話題を繰り返してしまったが、ちょうど二人の視線の先にさらにはエナメルのテカテカしたボンテージを着て首輪を嵌めた女性がいた。
「えっ、バレましたぁ。えへへ・・・」
典子は酔っているせいなのか、その場のノリなのか、本来であれば隠すべき「性癖」を隠そうともしなかった。
「ちょっとは隠しなさいよ」
「だって、麻里子女王様に問い詰められると嘘がつけないみたいなんです」
「あらあら・・・」
麻里子が少し呆れたように見下すような視線を典子に送る。

「でた!上からマリコ様!同期もみんな言ってるんですよ。麻里子先輩、時々ドSの顔になるって」
典子が少し前に流行した歌のタイトルをもじって麻里子を茶化す。

(まあ、私は「本家」よりは胸大きいけどね)
「そっ、そうなの?」
顔はともかくスタイルだけは本家に勝っていると思ってはいたが、自分がドSだと言う風に後輩達から見られている事には薄々感付いてはいたが、改めて言われると少し傷つく。


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