家族旅行での出来事 夫婦交換 1-7
「……。そうよね、そういうことよね。」
「いいんでしょ?史恵。」
「ええ。もちろん。二人とも、出来ればそうしたいって言ってましたから。」
「じゃあ、わたしたちはパートナーを代えて……。」
「ええ。この部屋で、一緒でいいわよね?」
「もちろんよ。その方が刺激的でしょ?」
「じゃあ、真央ちゃんは、あっち側の部屋で……。」
香澄がそう言うと、史恵が真央に言った。
「あ、それよりも、お風呂の方で待っていていただけると……。
二人とも、仕事上がりで、ひと風呂浴びたいって言ってたので。
よろしいかしら。真央さん。」
史恵に言われて真央は首をかしげた。
香澄が気を利かせて真央にささやいた。
「真央ちゃんがお風呂で待っていれば、
利彦君と雄大君がお風呂に入ってくるっていうことよ。」
「えっ?そ、そうなんですか?」
「真央さん。二人とも、女性の扱いには慣れていますので、
失礼になるようなことはないと思いますが、
もしもお気に入らないようなことがあれば、すぐに声をかけてくださいね。」
「だいじょうぶ?真央ちゃん。
きょとんとしてるけど、真央ちゃんがしたかったことじゃない?」
「えっ?わたし?そんなこと……。」
「ああ。真央ちゃんはそんなこと、一言も言っていないよ。
ボクと香澄が勝手にそう思って、勝手にそうしただけさ。
だから、真央ちゃんが嫌なら断ることだってできる。
真央ちゃんが決めればいいことさ。」
「わたし?二人の男の人?わたしひとりで?」
「ああ。もっと具体的に言えば、2本のペニスを自由にできるっていうことさ。」
「ええ。そうよ。4本の手で身体中を愛撫されるっていうこと。
二つの口で、二つの舌で、舐めてもらえるっていうことよ。」
「2本のペニス……。4本の手……。二人の男……。」
「そう。真央ちゃんが一人占めよ。」
「奉仕するもよし、奉仕されるのもよし。
真央ちゃんが望めば、二人の男に弄ばれることだ手可能だよ。」
「……。おじ様。香澄さん……。
わたし……。お風呂に入ってきます。」
「ああ。行っておいで。ゆっくり味わってくるんだ。」
雅和と香澄は顔を見合わせ、笑顔いっぱいで真央を送り出した。
「今日……。ううん。昨日、知り合ったばかりなのに……。
なんか、自分たちの娘を送り出したような気がしたわ。」
「君もかい?ボクも、なんとなく、そんな気がしたよ。
たった1日の間に、真央ちゃんは変わった。」
「変わったんじゃないわ。成長したのよ。
成長して、殻を破って、本当の自分を見つけたの。」
「じゃあ、今更ながら、ボクたちも、本当の自分を見つけようか。」
「ええ。」
香澄は雅和に抱きつき、キスをした。
そして史恵の方に向き直った。
「史恵。お待たせ。
改めて紹介するわ。この人がわたしの夫。雅和さん。
ちょっと調子に乗りやすいけれど、いい人だと思うわ。よろしくね。」
「やだ、香澄ったら。改まった挨拶なんかしないでよ。
ほら、あなた。自分であいさつして。」
「あ、いや、改めまして。
史恵の……2度目の夫。星野哲郎です。
その節は史恵がお世話になりました。」
「ヤダ。あなたったら。その節って、どんな節?
いったいどんなあいさつ、してるのよ。」
「そうですよ。お世話になったのは、むしろわたしのほうで……。」
「いやだ。香澄こそ、何を言ってるのよ。いったい何年前の話?」
「でも、史恵にお世話になったっていうのは、ある意味合っているもの。」
「わたしこそ、香澄を悪い道に陥れたような気がしていて、
ずっと気にしていたの。」
「悪い道?」
「ええ。雅和さん。
香澄を、今みたいな淫乱な女にしてしまったのは、
わたしの責任なんです。」
「ちょっとやめてよ。史恵ったら。
昔のことなんか、どうでもいいわ。
それより、今を楽しまない?」
「そうだったわね。
昔の、あんなことがあったから、
今をこうして楽しめるようになったんですものね。」
「まあ、話していてばかりいても、
懐かしくはなっても楽しむことはできないからね。
香澄さん……。」
そういうと哲郎は香澄の手を取り、自分の方へ引き寄せた。
「まずはご挨拶代わりの……。」
哲郎はそう言うと、
いきなり香澄の股間へ手を伸ばし、割れ目に指を差し込んだ。
「えっ?そ、そんな……あ、あん……。」
「香澄、ごめんなさいね。
うちの人って、いちいち人の期待を裏切るのよ。」
「ううん。だいじょうぶ。
わたしも、普通の挨拶代わりのキスなんか期待していなかったもの。」
夫の目の前で、ほかの男に抱かれることが初めてというわけでもないのに、
香澄は妙に緊張していた。
それはその相手が、高校時代の同級生、親友の史恵の夫だからなのだろうか。
夫の雅和は、この旅館に到着し、女将である史恵を見かけた時から、
それなりの目で見ていたことは間違いない。
香澄が史恵の話をするごとに、
そして史恵が部屋を訪れ、話をしていくたびに、
史恵への興味が深まり、食指が動いたことだけは確かだ。
しかも、史恵は同い年の香澄から見ても、
若く美しく、そして色っぽい、
成熟した女の雰囲気を醸し出している。
旅館の女将という仕事柄だろうか、
征爾の妻、麗子とはまた違った、清楚な佇まいさえ感じさせる。
また、和服を着ているということも、
雅和の関心が高まっている理由の一つだろう。
【ほら、時代劇でよくあるやつ。
悪代官が若い娘の帯を解いて、あれ〜って言うやつ。
あれって、妙に興奮するよな。】
香澄は、思わず、夫が史恵相手に、
あの、町娘をかどわかす悪代官を演じる姿を想像して、ぞっとした。