新たな一滴-3
「あ。」
アパートの戸が開いていた。アンカと蘭が勝手に入って飲んでいた。しかも、既に酔っている。
「あのさ、来るなら連絡とかしてよ。」
俺が怒りもせずに言うと
「ここ、一番安全なんだもん。」
蘭が酎ハイに口をつけながら返した。
「あたしも蘭も、落ち着くとこ、ほかに無いからね。お掃除とか、しといてもいいよ。」
「変な物が出てきて見られたら困るからいい。」
「こっちが驚くような物、もう無いでしょ。あたし、男の子の恥ずかしがりそうな物なら、みんな知ってるし、アンカのパンツなんかあっても構わないし。」
「蘭もパンツ置いていきなよ。弘前君に洗ってもらおうよ。」
「うんと汚してからね。」
言った蘭の表情が、急に変わった。
「弘前君、なんか変なの連れてきちゃったね。嫌だ。」
戸口にはナースチャが立っていた。