投稿小説が全て無料で読める書けるPiPi's World

天狗の面
【熟女/人妻 官能小説】

天狗の面の最初へ 天狗の面 2 天狗の面 4 天狗の面の最後へ

天狗の面-3

「ハァ!?一体妻を何だと思っているのよぉぉぉ!」

「ま、まあ、話を聞いてないなら、あんたが怒るのも当然だけど、こっちはもう金払ってるんだからよぉ・・・早く支度しろ!」

「そ、そんな事言われたって・・・」

 父に対して怒りを滲ませた母でしたが、支配人から早く支度しろと迫られ、思わず半泣き顔になりました。母は縋る様に支配人に話し掛け、

「あ、あのうぅ・・・お金は後で返しますから、許してもらえませんか?」

「ダメだ!もう、時間無いんだよ!!60過ぎのババァの裸だけじゃ、客集まらねぇし、みんな帰っちまうよ・・・なあ、頼む!この通りだ!!」

 支配人は、母の目の前で土下座を始め、私と母は困惑しました。私は、母の性格を思い出し、

(母さん、困ってる人を見るとほっとけない所あるけど・・・まさか!?)

 私は不安そうに母の顔を見ると、母は困惑しながらも、その視線は部屋の脇に掛かっていた衣装に向けられていました。

(エェェ!?か、母さん・・・や、やるのか?)

 父が支配人からお金を貰って居る以上、私が口を挟む事は出来ませんでしたが、内心では、母にストリップなどして欲しくはありませんでした。母は困惑しながら支配人に話し掛け、

「あ、あのぅ・・・私みたいなおばさんより、もっと若い子の方が・・・」

「そんな若いタレントが、こんな寂れたストリップ小屋に居れば苦労しねぇよ。大丈夫、俺が見た感じ、奥さんは中々のスタイルだし、素人を売りに出せばイケるって」

「ハァ・・・本当に家の主人、お金を貰ったんですか?」

 母が溜息を付き、支配人に念を押すと、支配人は大きく頷きました。母は深い溜息を付いて項垂れるも、顔を上げると母の表情が一変しました。自分を勝手にストリップ嬢にしようとしていた、父への復讐心もあったのでしょうか?

「分かりました・・・でも私、ストリップって本当に知らないんですけど?」

 母はストリップをやる事を承諾し、支配人は嬉しそうに何度も頷きながら、

「大丈夫、大丈夫、ちゃんと教えるし・・・そうそう、奥さんの名前は!?」

「私ですか?美奈子です」

「美奈子さんかぁ・・・本名でステージ立つ訳にも行かないよなぁ・・・好きな名前あったら、自分で芸名決めても良いぜ?」

「名前ですか!?そうですねぇ・・・じゃあ、百恵さんにあやかってモモで」

「分かった。これからはモモ嬢と呼ばせてもらうよ」

 母は覚悟を決めたようで、自ら舞台に上がる芸名を決めました。モモと言うのは、母が若い頃好きだった歌手から決めたようでした。支配人は、母が舞台に上がる事を承諾したようで安心したのか、ホッと安堵の表情を浮かべると、優しい面持ちで母に語り掛け、

「じゃあ、簡単にストリップの説明をするよ。簡単に言えば、音楽に合わせて踊りながら、お客さんを挑発するように身体をくねらし、一枚一枚服を脱いで行く。直ぐに脱ぐより、お客を焦らす様に、焦らす様に脱いで行けば、お客も興奮する・・・ちょっと舞台覗いて見るかい?」

 支配人の言葉に母は小さく頷き、母と支配人は、楽屋である室内を出て、薄暗い廊下に出た為、私も慌てて二人の後を追いました。まるでお化け屋敷の中を歩いて居る様な、薄暗く狭い廊下の壁には、至る所に古いヌードポスターが貼ってあり、中学一年の私には、それを見ただけで股間が膨らみ、ドキドキしました。何かの曲が一層大きく聞こえてきました。私達は舞台に近付くと、そでと呼ばれる舞台の端で、舞台上で半裸のまま踊る踊り子さんと、観客の様子を窺いました。

「これがストリップさ」

 支配人が踊り子さんを指差すと、私と母の視線が舞台へと注がれました。

「綺麗・・・」

 母は、踊り子さんの踊りに惹かれたのか、踊る姿を凝視していました。

(か、母さんが、こんな場所で・・・)

 私は改めて舞台と客席の様子を窺いました。舞台の上には、天井からミラーボールがキラキラ輝き、照明が踊り子さんを怪しく照らしていました。踊り子さんが着ていたと思われる透け透けの衣装が床に置かれ、黒いパンティの上にキラキラした光る物が付いていて、支配人によれば、それはスパンコールと言うそうでした。踊り子さんは、母よりかなり年上のようで、髪はショートカットで、頭に羽飾りのような物を付けて居ました。踊り子さんの露になったオッパイも垂れて居ましたが、肉付きも良く、スタイルはまあまあ良かったです。

(ス、スゲェ!こ、これがストリップかぁ!?)

 私は思わず生唾を飲み込み、更に劇場の様子を見てみました。舞台は狭く、観客席との距離も近くて、舞台と観客席合わせても、私の学校の教室よりも狭く思え、40人もお客さんが入れば一杯になりそうでした。私が見た所、薄暗くてよくは見えませんでしたが、お客さんは5、6人しか居ないようでした。踊り子さんは、妖艶に踊るも、時々腰を抑えて動きが止まり、その瞬間観客のヤジが聞こえてきました。

「ババァ、さっさと脱いで股開け!」

「こっちは金払ってるんだぞぉ」

「お黙り!」

 何か客と喧嘩になりそうな雰囲気かと思いきや、双方何だか楽しんで居るようにも思えました。

「ハァ、今日もほとんど常連しか入ってないか・・・モモ嬢、基本お客が公演中ヤジを入れる事は無いから安心して良いよ。お客さんも常連で、踊り子さんとは顔馴染みでねぇ、こんなやり取りしながら、お互い楽しんでるんだよ」

 支配人は、ガッカリした表情でしたが、苦笑しながらそう話しました。母は、踊り子さんの踊る姿を、目を輝かせながらジィと見つめて居ました。


天狗の面の最初へ 天狗の面 2 天狗の面 4 天狗の面の最後へ

名前変換フォーム

変換前の名前変換後の名前