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天狗の面
【熟女/人妻 官能小説】

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天狗の面-1

 私の名前は秀樹と言います。

 たまたま用があって両親の寝室に入った時、壁に掛かった天狗の面を見ると、父、母、そして私が一緒に行った温泉の出来事を、私は何時も思い出します。

 それは、私が中学一年の頃の話でした・・・


 父の名は光男で当時40歳、母の名は美奈子で当時36歳でした。その当時、父は150cm未満の小柄で角刈り、母は160cmのミディアムヘアーで、髪にパーマを掛けていました。芸能人で例えれば、顔とスタイルは、かたせ梨乃さんにまあまあ似て居たと思います。

 この年の九月の三連休を利用し、私達家族は珍しく、とある県の温泉へと一泊二日で旅行に出掛けました。親父は休みの日も働き、母も食堂にパートに出て居て、中々家族旅行など出来ませんでしたが、私は数年振りの家族旅行に喜んだのを覚えています。

 ただ、連れて来て貰った温泉地は、その当時閑古鳥が鳴いて居る様な現状で、温泉地に着いても、観光客と出会うのはまばらでした。父はニヤニヤしながら、

「どうだ、こういう寂れた温泉の方が、風情が合って良いだろう?」

「そうねぇ・・・あまり人が多いのは嫌だし、でも、少なすぎるのもちょっと不安よねぇ?」

 母は、私を見ながら苦笑気味にそう話しました。父は昔、会社の社員旅行でこの温泉に来た事があったそうですが、当時はもうちょっと賑わっていたそうでした。父は、とある建物に視線を向けると、

「オッ!?此処まだ営業してたんだなぁ・・・」

 父が懐かしそうに、古い建物に掛けられた裸の女性が、艶めかしく横たわるイラストを見て居ました。どうやら此処はストリップ小屋のようで、母は見る見る不機嫌そうになり、

「お父さん!子供の前で何見てるのよ!!」

 母に怒られ、父は頭を掻きながら苦笑しましたが、母は不快そうに私を促し、父を置いて予約してある旅館へと歩き出しました。父も歩き出そうとすると、ストリップ小屋から関係者とみられる白髪頭のおじさんが出て来て、父は何やら楽しそうに、白髪のおじさんと会話をしていました。

(父さんの知り合いかな!?)

 私は、さして気に留めず、母の後に追いて行きました。温泉街は橋の周辺に広がっていて、和風な作りがほとんどでした。橋を渡って何気なしに下を見てみると、誰もが使える共同温泉がありました。一応簾で囲っては居ますが、橋の上から丸見えで、思わず母と苦笑しました。父も合流し、チェックインの15時は過ぎて居たので、目的の温泉宿に着いた私達は、そのまま奥へと進みました。旅館は民家を思わせる様な作りでしたが、中に入り女将さんの出迎えを受けて部屋へと通されました。私達の部屋は二階の南部屋で、10畳ぐらいはあったと思います。女将さんからの大体の説明で、この旅館の温泉は源泉かけ流しで、露天風呂は無く内風呂だけで、大浴場は無くて、貸し切り風呂って事でした。父は後でゆっくり温泉に入りたいからと、貸し切り時間を22時から23時までで頼みました。

「でしたら、他の温泉旅館で日帰り温泉でもされたら如何かしら?」

「ほう、良いですねぇ」

 女将さんの進言を聞き、両親も思わず顔を綻ばせました。女将さんが部屋を出て、私はちょっと退屈そうになり、

(何にもなさそうな所だなぁ・・・外の景色はどうだろう?)

 私は、景色でも見ようと窓を開けてみると、田んぼなどが見え、のどか過ぎるだろうと思わず苦笑しました。

 私達は、旅館の近くの日帰り温泉出来る旅館で温泉に入り、18時ぐらいに夕食を取りました。正直、私は山菜料理とか嫌いなので、あんまりでしたけど・・・


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