さ-2
その時、私は急に何もかもがめんどくさくなった。
「来いよ。もう人数に入ってるから・・・」
「何それ!」
「乃恵ちゃんが、人数に入れたんだってさ」
「はぁ?」
「みんなに紹介しろって」
はいはい、『乃恵ちゃんが』ね!!
「行かないよ」
「なんで?用事があんの?」
ほんと。バカ!
あんたは乃恵ちゃんのファンクラブにでも一生入ってろ!
「幹事が今からキャンセルするの大変だろ」
その言葉にブチッと切れた。
私の都合より、私の心情より
『乃恵ちゃん』なんだね?
「分かった。じゃぁ行く」
「お、来る気になった?」
バカみたいに嬉しそうに笑うな!
「条件がある」
「何?」
「これで、お互いこの役を辞めよう」
「この役?」
「そう。その飲み会が終わったら夏休みだし。
次に会う9月には2ヶ月近くあるし。
後期が始まる時には別れた事にして」
「・・・・」
「この前のBBQで私は成田先輩の事が好きだって再確認したし!」
「・・・まだ好きなのかよ?」
「お陰さまで!!」
「・・・・」
もうこんな関係終わりにしてやる!
「斉藤も柳下も、そろそろ納得するでしょ」
もともと私にメリットなんてないしね!!
「私、やっぱり成田先輩が好き・・・」
「・・・そうかよ」
「だから、白木と一緒にいても楽しくない」
「なんだそれ」
「白木だって乃恵が好きなんでしょ!」
「・・・・」
「とにかく!ゼミの飲み会に参加する条件はそれで最後にするって事!」
「分かった」
白木は困ったように小さく笑った。