たらし込み-5
(5)
私は義伯父の胸に抱かれ、ベッドに仰向けに倒れていった。
「奈緒ちゃん、すばらしい……」
胸に義伯父の頬がそっと触れてきた。
「何を着てもすてきだ……」
擦り寄せる頬、乳首が感じた。
「奈緒ちゃん」
義伯父が起き上がった。
「服がしわになっちゃうよ」
たしかにそうだと思い、とっさに、
(どうしようか……)
迷っている間もなく手を取られて引き起こされた。
「脱いで、ハンガーに掛けなさい」
強い言葉ではないが、つい従って立ち上がった。
ボタンに手をかけて、止まった。義伯父が見ている。
「恥ずかしい……」
洩れた言葉は本音である。
「ごめんごめん」
後ろを向いたが、服を脱いで、どうするか。また迷う。
「シャワー、浴びてこようかな……」
浴びたら着衣を身に着けて出てくる。そして、オッパイと指。今夜はそこまで。……筋書通りだ。座ったままならワンピースも心配ない。
「シャワーは浴びなくていいよ。下着のままで……。そうしてくれないか?」
背を向けた義伯父の周りにタバコの煙が漂っている。
「脱いだら布団に入ったらいい」
静かな言葉だが何か底に強さみたいなものを感じて、私は無言で従っていた。
下着を着けているとはいえ、裸の感覚に感じた。伸介と何度も全裸で絡み合っているのに、私は緊張感を感じていた。
ベッドに横になり、布団を掛け、パンストを穿いていることに気づいた。指まで許すのなら、ないほうがいい。……布団の中で脱いだ。丸めて枕の下へ押し込んだところで義伯父がタバコをもみ消して振り向いた。
私の足元に座った。手が入ってきて、足先に触れる。撫でて、そっと握って、また撫でられた。
(ああ……)
くすぐったい、かすかな快感。
布団がめくられ、膝くらいまで露になった。それから、義伯父は私の足を、舐め始めた。
(汚れてる)
指が口に含まれ、舌が指の間を縫ってくる。
(感じる……)
柔らかくしゃぶって、、吸って、舌が這う。私は知らずうちに体が突っ張っていた。
右足、左足、また右。……快感がひたひたと這いあがってくる感覚……。
「うう……」
不意に義伯父の口が移動した。脛を伝い膝まで一気に達した、予測しない動きに快感が『光った』のである。
太ももを被っていた布団がゆっくりはがされていく。肌に部屋の空気を感じ、下半身が義伯父の目に晒されていることがわかる。局部を隠すように脚をよじるのを義伯父の手に押さえられた。唇が太ももに触れたのはその直後である。
「ああ……」
唇とともに舌も這い、熱い息も吹きかけられる。同時に手が脚のそこここをさすってくる。
太ももへのキスは何度繰り返されただろう。つつくように、食むように、ときおり囁きも交えてくる。
「美しい、美しい奈緒ちゃん……」
愛撫が付け根に迫った時、私は義伯父の頭を押さえた。薄衣1枚で秘部である。
「だめ、ー浴びてない」
「いいんだ」
「だめよ、だめ……ああ!」
舌先がパンツの上から敏感な突起に当たったのだった。とっくに濡れて愛液はパンツに染みている。
力が抜けた。尻に手を回した義伯父の手がパンツを下ろしていくのを拒めなかった。
(洗ってないのに……)
思いながら、義伯父の口を待ち受けている自分がいた。
割れ目に押し当てられた義伯父の口に私は翻弄された。声を上げ続け、体は抑えようもなく波打ちを繰り返し、昇りつめていった。
口は生き物のように動いた。
「あう!」
宛がわれて、しばし、動きは止まった。が、密着した唇だけでも感じてくる。やがてゆっくりと舌が裂け目をなぞり、硬くなったクリを掠めるように触れていく。
「ううう!」
感じて、クリトリスが硬くなって皮から剥き出しになっている。感覚でわかる。そこを、そっと舌が撫でて、
「あふん……」
陶酔しかかっていると、いつの間にか溝から膣口に忍び込む。
穴へ舌がぬっと刺さる。深くは入らないが、くちゅくちゅ、細かな接触がたまらない。
(あ、あ、だめ……)
私は経験したことのない道へと突き進んでいった。……
『イク……』
その感覚を、私は伸介とともに体感している……そう思っていた。しかし、この時私を襲った快感は体内を深く貫く未知の絶頂であった。
痙攣に震え、体がいうことを利かない。
(なに、これ……)
気が遠くなりながら私は浮かんでいる世界にいた。
本当に失神していた。朦朧としていたといったほうが正しいかもしれない。
気が付く乳房に義伯父が吸い付いていた。前開きブラのホックが外されて……。
(とろけていく……)
私は義伯父の頭を胸に抱えていた。
ホテルを出て、駅へ向かう道。私の足元は義伯父の腕に縋りながら歩くのが精いっぱいだった。
(泊ってもいい……)
このままずっと一緒にいたい心地になっていた。
駅のコンコースに入ると、義伯父は私の腕をそっと解いた。
「来週の土曜日、また会えないかな」
(土曜日……)
伸介と会う日だ。今日キャンセルしたから絶対、会いたい。
「土曜は、ちょっと……」
「そう、予定が入ってるか……」
義伯父はゆっくりと、一定の歩みを止めずに歩いていく。改札が近づいてきた。
「土曜じゃないと、だめ?」
「いや、かまわないけど。翌日休みのほうがいいかと思って」
「授業、ほとんどないの。だから、いつでも……」
「そうか。4年だもんね」
義伯父は立ち止まって、
「火曜日、どうだろう?」
「はい……」
「遅くなってもいいかい?」
義伯父の目が射すくめるように私を見つめた。私は黙って頷くだけだった。