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たらし込み
【その他 官能小説】

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たらし込み-6

(6)

 封筒のお金は合計で50万円入っていた。
(50万……)
いままで手にしたことのない現金である。
(どうしよう……)
自分で仕組んでおきながら、何だか怖くなった。こんな高額なお金を考えていたわけではない。お小遣いの域を超えている。今度会えばまたくれるのだろう。

 しかし、義伯父はなぜ……。
若い女が目的ならこれだけお金を使えばいくらでも相手はいるだろう。
(わからない……)
私にそれほど魅力が?……
 義伯父は「きれいだ……」「美しい……」と言ってくれた。でも、特別優れた容姿ではない。バージンじゃないこともわかっていると思う。なのに、これほどまで……。
(やっぱり、わからない……)

 一方で、私は別の思惑違いに戸惑っていた。生真面目で大人しい義伯父を籠絡する。それが思うようにいっていないことに自分で困惑していた。
 お金はもらっている。それだけを考えれば計画はうまくいっているのだが……。
(なんか、ちがう……)
妙な心のわだかまりが残る。

(感じて……とろけてしまった……)
自分の『女』の揺らぎが悩ましかったのである。
(でも、どうにもならなかった……)
 洗っていない足と秘部を舐め続けられ、それは激しさを抑えていながら、丹念であるだけに私の肉体を燃えさせてしまった。……  
 
(私が義伯父さんを夢中にさせたのかしら?……)
それは間違いないと思う。たしかに夢中になっている。オッパイを舐め、汚れた足に吸い付き、割れ目に口をつけて陶酔していた。義伯父の熱い想い。その愛撫に負けた。……
 男と女、セックス……。勝ち負けではないのだが、思い付きの軽い嘘で騙そうとしたのに『女』をさらけ出してしまった。そこが戸惑いの元なのだと思い至った。 
 
(今度はやってやろう)
お金をもらった手前もある。私の体を楽しんで、その代償だとしても、それは義伯父の立場、私としては過分な報酬を対価として義伯父を感じさせたい。もっといえば、屈服させたい思いがあった。そこには自分の欲望を重ね合わせた昂奮が後押ししていた。


 夜、眠りに就くと、浮かんでくるのはホテルでのこと。……
義伯父の唇の感触、触れた場所、舌の動き……。
(ああ……)
痺れてくる……。

 あれだけ私の体を愛撫しながら、自分は1度も服を脱がなかった。
(衝動に駆られないのか?……)
伸介なんか、部屋に入るなり、私に抱きつき、キスしてまさぐり合っているうちに、
「我慢できない」
コンドームを着けて性急に押し込んでくる。そしてすぐに発射。それから2人でお風呂に入る。ゆっくり愛し合うのはそのあとだ。若いから性機能は活発だ。
 義伯父の年齢を考えると伸介と比較することはできないが、それにしても私の下半身は裸だった。しかも、ぐっしょり濡れて。…… それを舐めながら、その気にならないものか。堪えられるものなのか。

 ふと考えたのは、
(勃たないとか?……)
そういうことがあると聞いたことがある。よくは知らないが、精神的なものらしい。伸介も1度、いざという時になって出来なかったことがあった。
「昂奮しすぎて……」
「そうなんだ……。ちょっと休もう」
「うん……」
結局その夜は1つになれなかった。その時の彼の表情はとても複雑なものだった。照れ笑いを浮かべながら、私と目を合わさなかった。
 それと同じ現象ではないかもしれないが、勃起しないということは男にとってとても重いことなんだと思う。

 もし義伯父がそうだったとしたら……。
服を脱がない、ズボンを下ろさないことも納得できる。いくら私を気遣っていたにしても局部まで舐めているのだから、もはや気遣う意味もないだろう。


 機能しないのか。抑制しているのか。
(確認する……)
というより、
(勃起させてあげよう)
義伯父は不能なのだろうと思い込み、だからこそ私の体を求めて心を満たしていたのではないか。そう思うようになった。
 今度は私が、いろいろしてあげる。たくさんお金を貰って、お返ししないと気が済まない。そんなことを考えていると自分も昂奮してきていた。 
 


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