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たらし込み
【その他 官能小説】

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たらし込み-4

(4)


 土曜日、どうするか。考えを巡らせると昂奮が沸き上がってくる。
お酒はほどほどに、ホテルへ行こう。刺激の時間を長くして興奮させる。そして、じらす。
(義伯父は襲い掛かったりはしないだろう)
なにしろ、私は姪である。抑制は利くはずだ。自分の立場を見失うはずはない。

 迷いを見せて、一方で好意をちらつかせる。
『ずっと好きだった……』
囁いてもいい。義伯父は私を抱きしめてくる。名前を呼びながら……
 胸を求めてくると思う。次回は前ボタンのワンピースを着ていくつもりでいる。膝が少し出るくらいの清楚な装い。義伯父の好みのような気がする。
 ボタンを半分外し、胸を預けよう。それから、少し進展させたほうが刺激になる。
(指を許そうか……)
そうなると、シャワーを浴びたい。
(裸はもう少し先だな……)
私の裸を見たら、もしかしたら義伯父もさすがに理性を失うかもしれない。そうなったら抵抗して揉み合うのもいやだ。後味が悪くなる。
(そうだ)
シャワーを浴びて服を着てしまえばいいか。
(恥じらいが伝わるかも……)

 義伯父の手は太ももを伝って奥へと侵入してくるにちがいない。
(指を迎えよう……)
『やさしくして……』
迎える言葉を囁く。もし、パンツを脱がそうとしたら、拒絶する。
『今日は、そこまでにして……』
一気に越えられない壁がある。
『気持ちの整理ができたら、必ず……』
匂わせて、昂奮を高めていく。……
 そこまでのシナリオができた。どうなるかわからないが、とにかく、じらすこと、義伯父の気持ちを悶々とさせることが必要だった。


 先週の店で会い、乾杯のあとに渡された封筒。
「これ、約束したもの。それから、これは今夜付き合ってくれたお礼」
封筒が2つ置かれた。
「え?……」
「大学の先生と付き合ったらだめだよ」
「はい。……ありがとう。でも、お礼だなんて……」
「いいんだ。奈緒ちゃんみたいな若くてかわいい子がこんなオジサンと付き合ってくれるなんて、ほんとに夢なんだよ。早く、しまって」
手にした封筒の感じから同じくらいに思えた。
(20万か……)

 想定外の収入に心が騒いだ。昂奮を抑えつつ、私の心と体はほんわかと柔らかくなっていった。
(今夜付き合ってくれたお礼……)
そう言った。
(会う度にくれるのだろうか?……)
そうだとしたら……。
(今夜、予定より少し過激なサービスをしようかしら……)
私は下半身に蠢くような疼きを感じていた。

 先夜より早く店を出たのはお金をもらった私からの『お礼』の意味もあったが、体が妙に火照ってむずむずしてきたからでもあった。乳首を舐められた感触が残っていた。
(気持ちよかった……)
言葉では表現できない微妙な感覚だった。快感がもどかしいほど微かなのに体の中に染み入っていくような舌の動き、その加減が絶妙だった。
(伸介の強さとはちがう)
その再現を体が期待していたのだ。

 腕を組み、ゆっくり歩きながら、足取りはしっかりして、方向も定まっていた。それでも義伯父は言った。
「もう少し、飲む?」
私はかなり間を開けて、
「この間のところですよ……」
顔を寄せて言った。小さく息を吐いたのはほっとしたのだろう。
 
「奈緒ちゃん、彼氏いるんだろう?」
私の顔を覗きながら訊いてきた。
「どうしてそんなこと訊くの?」
「どうしてって……奈緒ちゃん、美人だから、もてるだろうなって……」
「美人じゃないよ。……マァ、いることはいるけど……」
将来結婚を考えている相手だといったら、きっと怯むだろう。
「何となく、うまくいってないの。最近、会ってないし」
「そうなの?」
「うん……。義伯父さんと会ってるほうが楽しい」
腕に力を込めて揺さぶった。
 ホテルの入り口が近づき、
「今日はゆっくりできるね……」
私の言葉をどう受け取ったのだろう。義伯父は返事をしなかった。


 この日は汗ばむくらいの陽気だった。下着も湿っぽい。
(シャワーを浴びる……)
筋書を考えていたのだが、いざ部屋に入ってみると何だか言い出しにくい。
(大胆すぎるかな……)
ラブホに慣れすぎていると思われそうな気がしたのだ。
(自分から言うのはよそう)

 ベッドに座ると、義伯父も横に掛けてきた。腕が触れる。
(くるかな……)
抱かれたら仕方ないと思っていると、
「奈緒ちゃん」
「はい……」
「ちょっと、立ってみてくれないか、そこに」
部屋の中央を指さした。
 言われるまま立ち上がると、
「その服、似合うね……。とても似合う……」
溜息のような言葉だった。
「奈緒ちゃんの魅力を一段と引き立てる服だ……」

(思惑通り……)
ベージュの地に裾にだけ薄いブルーの波紋が3本入っている比較的地味なものだ。が、清潔感があると思い着てきたものだ。ベージュは肌の色にも近い。
(裸のイメージを妄想しないだろうか……)
 義伯父の視線を浴びながら、私は笑顔を振りまき、体を回転させて、ひらりと裾を翻してみせた。
(刺激があった)
確信した。義伯父が両手を伸ばしてきて私を迎えた。 

 
 
 


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