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紅い蝦蟇
【寝とり/寝取られ 官能小説】

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-1

(涼子は僕とおなじMなんですよ……)
 伊豆へと向かう夜の電車のなかで、車窓の向こうの過ぎてゆく街灯を眺めながら、Kの言葉が私の頭のなかを何度もよぎりました。Kが言うには、涼子は高校生のころからアメリカに留学していたわりにセックスに関しては外人アレルギーで男性経験が極端に少ないらしいのです。
「まさか、あれほどのルックスでそんな……嘘だろ?」
「本人が言ってるんだから間違いないです。もちろん処女じゃないですけどね」
 涼子は草食系の優男が好みらしく、しかしセックスに関していえば「いじめられてみたい」願望があることをKに洩らしたことがあるらしいのです。またKに言わせれば、私が何度か自宅に呼ばれた際に涼子は私のことを性的に意識していたはずだ、とも言いました。
「Yさんがダメなら他の男に頼みます。それでもいいんですか?」
 Kは、私のオスの本能をわざとそそりたてるように呟きました。


 伊東市をすぎて駅に到着した私は、再度Kの携帯電話を鳴らしました。時刻はすでに午後10時ちかく。駅のまわりにはあらかじめ予約しておいたタクシーが一台ハザードランプを点灯しながら止まっているだけです。人気も少なく、夜の闇があるばかりでした。
「ああYさん、無事着きました?」
 電話越しのKの声は心なしか興奮でうわずっているように聞こえました。
「着いたけど、今、どこにいるんだよ?」
「例の愛人の家にもうすぐ着くとこですよ。僕もついさっき東京に戻ってきて」
「じゃあ涼子ちゃんは……」
「さっきも怒りまくって電話してきましたよ。急な出張ってことにしてあるんで。Yさんが行くから接待よろしくって言っときました」
「で、涼子ちゃんは何て?」
「僕からYさんに断りの電話を入れることになってますけど、そのままYさんが行ってしまえば追い返すわけにもいかないでしょう。……聞いてます?」
 私は、あたりの夜の色が一気に紅く染まっていくような錯覚を覚えました。


 Kの別荘というのは西伊豆の山奥にあります。
 父親から譲られたという2階建ての瀟洒な西洋風の建物で、Kの独身時代に私も何度か行ったことがあるため、地の理は多少知っていました。駅からタクシーで40分ほど山を登らないと辿り着けないのですが、あれほど時間が長く感じられたことはありません。タクシーのなかで、私の胸は早鐘のように高鳴りました。運転手も、ひっきりなしに煙草を吸っては落ち着かない様子の私にあきれたのか、しばらくすると私に話しかけるのをあきらめたようでした。


「だめ。つながんないっぽい……」
「そうか……」
 西伊豆の山奥の、周りに人家のない別荘で、私は憧れの涼子とふたりきりでした。
 玄関のドアを叩くと、涼子は心配していたのが拍子抜けするほどあっさりと私を家のなかに招き入れました。
 セミロングの髪をかきあげながら、すこし照れたような仕草で再会を喜ぶ涼子を見ているうちに、私のなかの緊張が一気にほぐれていきました。
「信じらんないですよね、携帯もつながんないし、何考えてんだろあいつ!」
 テーブルのうえには、飲みかけのシャンパンが冷やしてあるのが見えました。どうやら、ひとりで別荘に残された涼子はやけになって酒を飲んでいたようでした。心なしか頬のあたりを赤らめている理由がそれでわかりました。
「でも良かったあ、Yさんが来てくれて。ひとりでこんなとこいたくないもん」
 何度もKの携帯を鳴らしながらそわそわとリビングを歩き回る涼子の後姿を眺めながら、私は思わず生唾を飲み込みました。2年ぶりに見る涼子は以前よりもまして匂うような色香を発散していました。サーフ系の爽やかなオレンジのTシャツに、デニムのホットパンツという露出度の多いラフなスタイル。健康的に黒く日焼けした肌。まるでスーパーモデルのように長い脚……。
(何ていい女なんだ……)
 私は不審がられないように注意しながらその肢体に粘っこい視線を這わせていきました。

「涼子ちゃん、ちょっとシャワー借りたいんだけど。……蒸し暑かったから汗くさくてさ。あと、ビール差し入れに買ってきたから冷蔵庫に入れといてくれるかな?」
「え……あっ! はい、……ありがとうございます!……えっとタオルは……」
 私は先制攻撃を仕掛けたつもりでした。
 シャワーから上がったとたんにタクシーを呼ばれて追い返される可能性もありましたが、私の直感はその可能性を否定していました。もしKの言うことが本当であれば、涼子が私を性的に意識しているのであれば、今の状況に心が揺れているはずです。私は熱いシャワーをゆっくりと浴びながら、興奮と期待で赤黒い蛇のようにそり返った自分のモノにボディシャンプーをからませ、じっくりとしごきたてました。
(このシャワールームで、あの最高のからだをじっくりと……)
 想像しただけで、私はシャワールームの壁に先走りの精液を飛び散らせていました。


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