バレエに包まれた私-1
私が浩美ちゃんを説得した日から1週間後の土曜日、午後のレッスン2時間前に浩美ちゃんを
バレエ教室の更衣室に呼んで、今日レッスン生の女の子に告白し受け入れてもらえるように
流れを説明した。
いずみ「ん”ん”・・・ あの・・・浩美ちゃん?」
浩美 「はい、いずみ先生」
いずみはいつもと違う緊張感でちょっと顔が引きつりながらその笑顔で話し始めた。
いずみ「今日はあなたが女の子としてバレエを習って、発表会に出たい思いを伝えるけど
まず私が生徒の女の子に説明するからその間にレッスンが出来るように着替えて
おいてね?」
浩美 「はい、なんだか、ドキドキして・・・本当に大丈夫なのか心配で・・・」
いずみ「大丈夫よ! きっとみんなわかってくれる! ・・・はず」
「レッスンが始まる前、浩美ちゃんが着替えが終わった後に一度見に来てあげる
から心配しないでね。
「もし、受入れがダメなときは、レッスンが始まった後で着替えてそのまま帰って
いいからね。見つからないようにね」
浩美 「はい、・・・」
いずみ「ただ、着替えるその前に今から浩美ちゃんを女の子にします!!」
浩美 「えっ???」
浩美がビックリした顔して、両手がおまたのとこに・・・。
いずみ「あ、大丈夫! あそこ切ったりしないから安心して!」
(って・・・・私、なんてことを言った???)
いずみは顔を赤らめて焦った感じで言い直した。
いずみ「あ、あの・だから・・ メイクとヘアスタイルってことです!」
浩美 「あ、あああ はい すみません><」
いずみ「私が使ってるお化粧道具あるから浩美ちゃんをかわいくしてあげます。
そのままでも顔立ちが女の子みたいだからなんとか大丈夫な感じはするけど
念には念を入れて気合入れて、でも薄くメイクするね。」
いずみは、自分では気づいてないようだが、わくわくとドキドキ感で楽しい気持ちに
なって化粧をしていった。
いずみ「ん〜 もっとチーク濃い目がいいかなぁ・・・まあでもこんな感じかな。
後は、目もとを少しだけアイシャドウ入れた方が・・・あ、浩美ちゃんさあ
目、閉じてくれる? 」
浩美 「あ、はい」
浩美は軽くめを閉じた。
その顔をいずみはまじかで見ていて、ドキっ!とした。
あまりに可愛くて、もうこの子は男の子に見えないしその辺の女の子よりも女の子に
なっていく姿に気持ちが揺れ動く。。
(・・・可愛い・・・浩美ちゃん)
いずみ「あ、あっ あーーーだめだめ!! ?」
浩美 「先生・・なにがだめなんですか?」
いずみ「え? あ、 いや なんでもないです。」
30分〜1時間くらいかけて浩美のメイク完成!
いずみ「へ〜〜〜 浩美ちゃん、可愛いです 女の子でいけるいける! 」
「もっと自信もっていいからね!」
浩美 「・・はい、先生? 鏡見ていいですか?」
いずみ「それはまだダメー!」
「みんなが浩美ちゃんを受け入れて、浩美ちゃんを紹介した後、レッスン中になら
ときどき自分の顔や姿をみていいから。 その間は絶対に見ちゃダメだからね!」
いずみは、更衣室にある置き型の鏡を別の部屋へ移動して持っていった。
それから浩美の髪はあまり長くないからシニヨン(お団子頭)にするには足りないため、
ロングのウィッグを購入していてそれを浩美に激しい動きにも取れないように固定し、
その髪でシニヨンした。
いずみ「これであなたもバレリーナ・・・ではなかった。バレエを習う初心者の女の子」
「それじゃレオタードとタイツ、シューズは先日教えたから自分で着替えられる
よね?」
浩美 「はい、大丈夫です」
いずみは、浩美のために用意していた、黒のキャミソールレオタードとファンデーション、
バレエタイツ、シューズを渡した。
いずみ「あー、もうこんな時間・・ そろそろレッスンする生徒たちが来るから先生は
行くね? 大丈夫? あ、この更衣室じゃまずいね。」
「ん〜 あ、私の部屋で待っててくれる?」
浩美 「はい、」
浩美は少しずつその瞬間が来るのが怖くなってくる。
足が震えそうになる浩美、でもここまで先生が一生懸命してくれたことに感謝して
きっと女の子で発表会にでて先生に恩返ししたいと思った。
浩美が移動した先生の部屋に鏡はなく、ちょっと期待したがやっぱりと観念・・・。
生徒の声と足音が聞こえ始めてきた。
生徒 「こんにちわー! 先生!」
えり 「あっ、ゆか、 もうすぐ発表会、緊張するよねーあ、今日衣装着るみたいだよ?」
ゆか 「えーーそうなんだー 早く見てみたいし着たーい!」
えり 「うんうん、私初めて衣装着て発表会出るの」
そんな普通の女の子が話す会話が少しづつ増えて、生徒も集まってきた。
その会話を聞きながら浩美は着替え始めた。
浩美 「まずファンデーションから・・・次は・・タイツ・・・」
「あ、 なんか着替えてると女の子になっていくってドキドキする・・」
浩美は女の子が着るバレエアイテムのひとつひとつが体に触れていく気持ちに酔いしれる
かのように眼はうつろになり、口元が自然に少しだけ開いて、ときどき自分自身気がつかない
間に小さな声が出ていた。。
浩美 「んっ、、あっ・・」
体全部が切ない気持ちで覆われ始めてきた。
バレエが私を切なくも優しく包み始めてきた。。