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梟が乞うた夕闇
【鬼畜 官能小説】

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-2

 香菜子が女に言うと、収まりかけていた笑いがまた火を噴いて、
「ちょ、ちょっ、……やめて、マンコにそんなもん突っ込んだまま言うの。せめてそのくっさいザーメン拭いてからにしてよぉ、もぉっ」
 あはは、あはは、と身を悶えさせている。
「あ、あなた、女のくせに……」
「……ひっ、……、ふぅ……、……あーあ」
 目元に浮かんだ涙を拭い、まだこみ上げてくる笑いに時折肩をいからせ、「ざーんねん。私、オンナじゃないのー。……オカマさんでもないけどっ。んっ……、ふふ……」
 女は大して面白くもない冗談を言って一人で笑った。
 一体いつまで笑っているつもりだ。同じ女がこんな暴虐に遇っているのに……、いやそもそもお前が妖しげなガスを撒いて仕向けたくせに、全く呵責を感じてない様子に思わずカッとなって、
「こんなことするなんて、確かにあんたなんか女じゃないわっ! 最低最悪の人間よっ、ほらっ、早く解きなさいよっ!」
 と睨みつけてしまった。
 腹を両手で押さえて笑っていた女の肩のゆすりがピタと止まった。ゆっくりと身を起こす。
「……あ? なんつった? お前」
 早足で進んできて、M字の前でつくねんと立っていた獣を突き飛ばした。香菜子は目の中へ射してくるライトに目を細め、正面に立った女の顔を見てやろうとした。
「……んぎゃっ!!」
 だが突然視界が曇るほどの衝撃に、濁った悲鳴を上げた。
 女が片足を上げ、足裏で張型の柄を踏み下ろしてきたのだ。
「おらっ! 何つったよ、お前、おいっ!!」
 オンナではないと自分から言ったのに、同じ旨のことを言った香菜子へ向かって、ドスン、ドスン、と内臓まで抉り取ってきそうな豪打を蹴り込んできた。
 野獣たちの暴虐は、香菜子を辱めてやろうという邪淫に衝き動かされて為されたものだった。香菜子を潰滅してしまっては彼らの淫欲を果たす先がなくなってしまう。
「ぎゃっ……! やっ……、がっ! ……や、め……」
「……うるせえよ、お前! ったく、調子乗ってんじゃねえっ……、ほらっ、子宮に穴開けてやるよっ。おらっ!」
 だがジュンシと呼ばれた同性にはそんな二心はない。純然たる殺意すら感じられた。踏みつける足の力には毫もためらいがない。「謝れよ、お前っ。おらっ、ゴメンナサイしてみろっ。バイブのかわりにヒール直接ぶち込んで、胎、抉ってやろうかっ? おいっ、早く謝れってっ!」
 女の狂気に、快楽から導かれたものではない、恐怖の失禁をした香菜子は、震える唇を懸命に開閉させた。
「聞こえねよっ。……おい、ションベンかかってんだろーがっ、私の足によっ」
「ご、ごめんなさい……。ご、ごめ、……す、みません……、許してください……、お願いします……」
 体に響く衝撃の狭間で必死に喉から絞り出した。「す、すみませんっ、も、……申し訳……、あがっ、いやぁっ! こ、壊れ……、死んじゃうっ!! 助けてっ!!」
 謝罪を続ける香菜子へ、女は足裏を踏み込み、体重を預けてきた。正面から覗き込まれるも、あまりの苦圧に視界が霞んで、顔をあらためることはできなかった。
「――お前も女じゃない。ってか、人間じゃないよね? お前は便器。肉便器。……でしょ?」
 やおら女の口調が戻った。香菜子は下腹を抉る圧力に意識が途切れそうになりつつ、小刻みに頷く。
「んー? だーかーらー、聞こえないって」
 女が更に体重をかけてくると、本当に軟蓋を破って張型の先が秘室へ突き刺さってきそうな錯覚にとらわれ、慌てて叫んだ。
「そ……、そうですっ!! に、にく、……肉便器ですっ」
「はーい、肉便器かんせーい。……ったく、ザーメンぶっかけてる場合かっての。こんなしょーもないクズ女、屈服させんのにさぁ、モタモタしないでくれる?」
 唖然と見守っていた野獣たちへ視線を向けると、漸く柄尻から足を外して高らかに笑った。身を貫いてきそうな圧迫から解放された安堵が、余計に敗北の惨めさを浮き彫りにして、香菜子は涕泣が止まらなかった。
「……準師様、やり過ぎです。壊してしまっては何にもなりません」


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