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梟が乞うた夕闇
【鬼畜 官能小説】

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-3

 止めなかったくせに、ケン兄が女を静かに諭した。
「だってぇ、こいつ、マジで調子コイてたんだもん。ケン兄ならわかってくれるでしょぉ」
 女は甘えた声で身をくねらせながら、上着を肩から抜きはじめる。
「何をされるおつもりですか?」
「なんか、コーフンしてきちゃったぁ。あ、ガスのせいじゃないよん。この女のアヘ顔、見たいの。……ペニバンあったでしょ? 貸して」
「いけませんっ。……おいっ! 貴様らっ、平伏しろっ!」
 女がキャミソールの裾を両手で持ち、裏返して頭から抜き取って肌身を晒す。獣たちがウットリとした溜息を漏らし、ケン兄は初めて大声を上げた。「見た者は殺すっ」
 厳しい口調に獣たちは未練を払って膝を折り、額を床に擦り付けた。誰も所望したモノを手渡してくれないから、女は自分で部屋の隅まで向かい、ペニスバンドを片手に戻ってきた。
 片腕をケン兄の首に巡らせ、あだめいた目線で見つめる。
「やーん、ケン兄、これってヤキモチ?」
「……おやめください」
「無理しないで」
 女は背伸びをしてケン兄の耳元へ唇を近づけ、「ケン兄の気持ちには答えられないけどぉ。……ね、ケン兄が挿れて?」
 彼の片手に双頭の雄の造型を手渡す。
「……」
「お願い、早くして。私のお願い、きけない?」
 女は黙っているケン兄にもう一方の腕も巡らせると、唇を近づけていった。ケン兄は一瞬だけ眉を顰め、女の接近を制止し、足元に片膝を付いた。
「……失礼します」
 面を伏せて、前を見ないようにしているケン兄の両肩に手を置き、片脚を少し上げて丈の短いミニを緩めた。
「んあっ」
 天井に向かって幼い声を上げたあと、ふーっと息を吐き、ありがと、とケン兄の頭を撫でる。女は腰のベルトを締めつつ、香菜子の方へと戻ってきた。
「うっ……」
 ヌブッと張型が抜かれ、床に擲たれた。代わって女のタイトスカートを捲って突き出た、張型よりもずっと精巧に象られている虚棒が、入口を広げてくる。
「はっ、あんっ……」
「うっそぉ、もう感じちゃってんのぉ。まだ先っちょもは入ってないよ?」
 香菜子は下唇を噛んだが、亀頭の先で花唇を摩られると、腰がプルプルと震えた。ついさっきまで暴虐に晒されていた女陰なのに、造り物の男茎に焦らされて、奥からドッと白んだ蜜を垂らしてしまう。
「あーあ、きったないマン汁。……ほら、欲しい? ねぇ、欲しいの?」
「あっ、や、その……」
「ほーら、挿れたらすぐイキそうなんでしょ? 私、その辺のオトコよりずっとエッチ上手いよ。下さいってお願いしたら?」
 女は滑らかに腰を使い、花唇のみならずクリトリスまで巧妙に弾いた。ひとたまりもなかった。
「……く、下さいっ!」
 もう限界だ。媚薬のせいだ。こんな暴行を受けて感じるわけではない。
 それはただの言い訳だった。
 心疚しさに気づいていても、もう花唇を弄ってくる誘惑に楯突くことはできなかった。
「んー? 便器の便子のマンコに?」
「……ううっ、べ、べ……、便器の、べ、便子の……、マ……、オ、オマンコに、ください……」
 ばーか、死ねよ、クソビッチ。高笑とともに亀頭がズブズブと貫いてきた。しかも女は腰を使い、ただ圧迫していた巨大な張型とは全く異なって、奥へと向かう途中、香菜子の肉壁の鋭敏な場所を探っては擦りつつ進めてくる。
「い……、い、いく……」
 道半ばなのに、絶頂した。女は収縮して感度の上がった蜜道へ、なお執拗に先端をグリッ、グリッと抉らせてくる。「やっ、あっ……」
「ほら、気持ちいい? すごいでしょ?」
「ああ……、す、すごい……、あんっ!」
「ね、隠れてコソコソ何してたのぉ?」
 女の声も昂ぶっていた。
 訊問が始まる。何を訊かれても口走りそうだ。
 自分は負けた。自分に信頼して送り込んでくれた深雪の顔が脳裏に浮かんだが、すぐさま霞んでいった。深入りする前に相談すること。そう言い置かれていたのに、先行してしまった浅はかな自分は、この女の言う通りに、人間ではない身分に貶められて然るべきだ。
 女の生やした兇器に最奥が圧され、まだ先ほどの絶頂が鎮静していない上から新たな絶頂感が押し寄せてきた。
「そ、それは……」
 落ちてくる瞼を必死に開いて前を向く香菜子の眼前に女が顔を近づけていた。
(ん……?)


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