『秘館物語』-5
下痢気味だという彼女の腹具合が、そんな責めを受ければどうなるか……。結果は火を見るより明らかである。
『や、やめてください! やめてっ! ………も、もれちゃう……出ちゃうっ! ウ×チ出ちゃう!!』
ゴブッ、と股下から空気が泡となって盛り上がり、水面を騒がした後に波紋を作って消えた。かすかに浮かびあがった塵のようなものは、間違いなく彼女の腹にいるものの欠片であろう。
『あ、あ……ほ、ほんとに……ほんとに出ちゃう!』
かろうじて、本格的な排泄は逃れていたらしい。しかし、破局はすぐそこにある。
『も、もうダメ! ……旦那様、ダメッ……ウ、ウ×チ、ウ×チ……が……あ……あ…ああぁぁぁぁぁ―――――――――……………』
ジュブッ、ゴブゴブッ!
腸内に溜まっていたガスが泡となってまずは浮き上がり、それ以降は、完全に水の中で全てが始まった。
『う、ううっ……あ、あううぅぅぅっっ……』
まるで噴霧器から噴射されているように、茶褐色で霧状の奔流が水中を舞う。それは吐き出されたときの凄まじい勢いを、水の抵抗によってほとんど奪われ、すぐに水面に浮かんできた。
『あ、ああっ……い、いやぁ………』
ぐに、と強く下腹を押さながられ、望は激しく排泄する。透明だった清浄なお湯を侵す、醜悪な物体たちが大挙して水中に放たれた。
『あ、あ、と、止まらない……止まらない……』
相当に腹を壊していたのだろう。何度も何度も下痢便を水中に吹きつけて、お湯を汚す望。
『ん、んん―――……っっ』
四肢を硬直させているのは、おそらくいきんでいる証。本能の欲求は、理性を遥かに超えてしまうものだ。始まってしまった排泄を治めるには、全てを吐き出してしまうよりない。
『あ……は……』
正気を失ったように口元をわななかせ、排泄を繰り返す望。大量の汚物によってお湯は犯され、当然、望の下半身もその穢れの中に浸かっていた。水面をぷかぷかと漂うものは、明らかに―――。
『こ、こんなの……いや……きたない……う、うぅ……』
自らが出したものとはいえ、その汚辱に身を震わせ涙する望。
そんな彼女の顎に指をかけ、涙をそっと拭ったあと、志郎はその唇を優しく塞いだ。
(あっ)
志郎が道具や手以外の部分で、それも愛情を示すものとしての行為を、この映像の中で初めて見た。
『だ、旦那様……あぁ……』
しかも、あんなにも汚辱に泣き暮れていた望が、志郎の接吻を受けることによって、まるで乙女のごとき恥じらいと喜びに満ちた表情を見せているではないか。
場面が切り替わっても、望の映像が続いた。映写機の中にいる男女のことを知っている浩志としては、なんとも言い難い背徳的な感情を抱いてしまう。
(信じられないよな……)
普段の二人を思うに、とてもこの映像が真実のものだとは思えない。
『あっ、あっ……おしり…おしり、あついの、あついっ!』
しかし、事実はそこにある。巨大なア×ル・パールを何個も直腸に埋め込まれ、喘ぐ女の顔は紛れもなく、養父の別荘であるこの館で働いているメイドの大崎望だ。
『………』
そして、数珠つなぎのパールを次々と中に埋め込んでいく、痩せこけた頬の男は間違いなく、大恩ある養父・生方志郎である。
『も、もう入りません……あ、ああひぃぃぃぃ!!』
世話焼きで、活発で、快活な物言いをする、元気な望の妖艶な声。
『………』
いつも笑顔で相談に乗ってくれる、浩志にとって暖かく大きな存在である志郎の行動。
あまりにも非現実的な現実に、浩志は完全に全てが麻痺していた。それでも視線をスクリーンから外そうとしないのは、彼のもつ業の深さかもしれない。
『あ、やめて……そんなに急にっ……あああぁぁぁぁ!!』
志郎が糸を引き、望の腸内に埋まっていたパールを引き抜いた。丸い大型のそれは、長大な連なりを保ちながら、立て続けに望の肛門を犯し、外へと排泄されていく。
『あ、あひぃぃぃ、ひいぃあぁぁぁぁぁぁ――――――――………っっっ!!』
ブチュッ!! ブチュブチュブチュブチュブチュブチュ!!
放屁の爆音を轟かせ、薄茶色を斑模様に貼り付けたパールが次々と望の肛門から大挙して飛び出してくる。音を交えたその激烈な様は、水中排泄のそれよりも大きなインパクトであった。
『あ、あ、あ……あ、ああっ……』
パールをひりだしている最中、望の身体がびくびくと震え始めた。
『イッちゃう………あたし、イきそう! おしりで……おしりで、イ、く、うううぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅ―――――――――――………っっっ!!』