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『秘館物語』
【SM 官能小説】

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『秘館物語』-1

第1話 「乱気流」


(な、なんだよこれ!!)
 浩志はカタカタと無機質に音を立てる映写機の先で、映し出されている異様な光景に息を飲んだ。
 これは、画家である養父の志郎から、何かの参考にと手渡されたフィルムで、だからこそてっきり養父の参考にしている画家の絵を集めたようなものだと想像していた。
(………)
 しかし全く違った。想像もしない光景が、白いスクリーンの中で踊っている。
『あっ! ああぁっ!』
 そう。文字通り、踊っているのだ。
 身体中を縄によって縛り上げられ、両腕を天井に吊るされた状態の女性が、縛られたことでさらに強調されたその胸を惜しげもなく晒し、悶えている。
『ひ、ひぃぃぃぃ!!』
 そして、仮面をつけた体躯のいい男性が、その女性の豊満な胸を鞭で殴りつけていた。
(と、父さん!?)
 それはすぐにわかった。女性の顔は見たこともない別の誰かだったが、その彼女を嬉々として鞭で叩きつけているのは、間違いなく養父の志郎である。幾分、志郎が若いように見えるのは、おそらくこれがかなり以前に記録された映像であるからだろう。
『………』
 男は何も喋らない。
『あ、ああぁっ! か、堪忍してっ……堪忍してぇぇぇぇ!!』
 ただその口の端に狂気にも似た笑みを浮かべ、涙を流しながら叫び続ける麗女を何度も何度も鞭で辱めていた。
『あ、ダメっ………』
 映像の中の志郎が麗女の後ろに回り、右足に手をかけると、天井からフックを下ろし、膝の部分を固定させた。既になにも覆い隠していなかった女の果肉がはっきりと露呈して、真っ赤な熟れ具合を晒している。
『あぁ……見ないで……見ないで……』
 その部分には、透明な果汁が溢れていた。
『………』
 志郎は手にしていた鞭の先を、その部分に押し当てる。まるで待ちかねていたかのように媚肉が蠢いて、花の蜜を床に垂れこぼす。
『い、いやぁ……いやぁ……』
 身を捩じらせて、必死に恥辱の責めを逃れようとする麗女。しかし、その動きが志郎の情欲を煽ったか、更に苛烈な鞭先の責めを誘発した。
『あ、あうっ! あくっ! あひいぃぃぃぃぃ!!!』
 ぐちゃぐちゃぐちゃと果肉をすり潰され、さらに果汁を滴らせる。映像の状態が良くないにも関わらず、その様がしっかりと見えて、いつしか浩志はその光景に魅入られていた。
『あっ! こ、こわれちゃいます! おま×こ、こわれちゃう!!』
 逃げるように何度も腰を浮かせ、涙ながらに苦痛を訴える映像の麗女。
『やめてくださいっ! やめてやめてやめて!』
(その言葉……嘘だ)
 しかし、浩志は見つけていた。
『こわれちゃう! ぐちゃぐちゃになって、お×んこ、つかえなくなっちゃいますぅ!!』
 言葉とは裏腹に、ますます妖艶さを増すその瞳の色を。
『ぎゃああぁぁぁぁぁ―――――――――………っっっ!!!!』
 獣の断末魔を思わせる絶叫が響いた。映像の中の志郎が、鞭を中ほどまで女の中に埋め込んだのだ。その材質が何だったのか、映像では判別できなかったが、膣の中に入れることを想定して作られたものでは、当然、ない。従ってその形状は、明らかに中の粘膜を削るような刺激を与えたに違いない。
『あ、あぐぅぅっ……く、くるし……くるしい、です……』
 ぽたぽたと、その鞭を伝うようにして粘性の高い果汁が床にこぼれてゆく。驚いたことに、女はそんな行為にさえ更なる劣情を催していた。


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