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悪徳の性へ 
【学園物 官能小説】

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〜 蜻蛉 〜-1

〜 蜻蛉(トンボかけ)〜

〜 放課後の教室 ・ グラウンド掃除 〜

 うちらは午後に校庭で8号教官にしばかれて、外履きは洗って干してある。 せやから、濡れてて気持ち悪いんやけど、そんなん言えるわけないし、黙って履いて2号についていった。 次に当たるんはうちらやと思う。 ホンマは泣きたいけど、でもトイレ掃除よりはマシやと思って、無理して笑顔つくってみせる。

 第2グラウンドはうちらの教室があるC棟のすぐ裏にあった。 8号教官にグルグル回らされた芝のトラックと、大きさ的にはたいして変わらへん。 芝と土が違うくらい。

「呼ばれたモノは前に出なさい。 16番。 17番。 18番。 19番。 20番」

 予想通りうちらが呼ばれた。 用具倉庫に連れてかれて、何をさせられるんかと思ったら、T字型のおっきい鉄パイプにギザギザがついたやつが5本並んでいる。 

「使い方は知っているわね。 グラウンド整備っていっても、やることはトンボ掛けだけ。 付け方は手順が少しややこしいから、今日は私がつけてあげます。 第一姿勢で待ちなさい」

 頭の上で手を組み、うちらは2号教官になされるがまま、トンボ掛けの体勢にされた。
 そもそもトンボは手で持って、引っ張りながらタラタラ歩いて、グラウンドの小石やささくれを均すものと思っていた。 せやけど学園のトンボは、目的は同じでも装飾が違った。

 持ち手の所にベルトが綱で結んであって、棒に跨ってからベルトを腰にまく。 立つとベルトから垂れた綱が持ち手を引っ張り、股の下でトンボの棒が揺れている。 ベルトから2つコードが伸びて、低周波を伝える平絆が左右の尻たぶに貼られている。 
 トンボとは別に、頭にはラバー製の目隠しをされた。 肌に密着していて、伊達眼鏡みたいに上げ下げできる高級品。 ご丁寧に耳栓までついている。

 トンボと目隠しを5人につけ終わったんやろう。 暗闇の中で教官の声を聞いた。

「一度しかいわないから、よく聞きなさい。 土均しの指示はすべて尻で感じること。 右尻に電流が来たら、その場で直角に右へ回る。 左尻に電流が来たら、直角に左へ。 左右同時に感じる間は、電流のテンポに合わせて前進よ」

 尻? 電流?? えーと、な、何いってんの?

「終わったら器具を外して、お前たちの持ち物で土埃をとってから、倉庫に返すのよ。 目隠しは自動で外れるから、外れたときが終わったときよ。 それまで手は絶対に後ろ。 分かったかしら」

「「ハイ! インチツの奥で理解します!」」

 条件反射で返事してもうたけど、実はさっぱりわからへん。 え、お尻に電流ながされるの? お尻に貼られた冷たい感触は電気装置なん? 終わったらて、目隠ししたまま掃除しろて?

「じゃあ耳栓しても構わないわね。 そうそう、早く指示通り動かないと、どんどん電圧が上がるから要注意よ。 いってらっしゃい」
 
 柔らかい手が耳栓を押し込んで、うちの世界は真っ暗な上サイレンスになる。

 どないしようか、考える暇もなかった。 

 ピキ。

 いきなり右のお尻がスパークして、

「うびゃっ!」

 思わず声だして、ジャンプする。 電気風呂で筋肉が痙攣するみたいな、皮膚の中に針を突っ込まれたみたいな、そんな感覚。 兎に角ビックリして、痛み自体は大したことなかったのに、うまく体が動かんくなる。 訳が分からんままモジモジしてると、

 ピキッ。

 さっきより一回り大きい電撃が、さっきと同じ右の尻たぶにきた。

「うっくっ……!」

 ジッとしてたらあかん。 さっき教官が言ってたことを思い出して、ウチは右に体をひねった。 ベルトと棒を結ぶ綱がアソコに喰い込むんは、イラってなるけど我慢するしかあらへん。 

 ピキ。 ピキ……ピキ……ピキ……。

 向きを変えたところで、今度はお尻の両側に電気がくる。 続いてリズムをもって弱い刺激がくるから、ウチはお尻をピクピクさせながら、前に進んだ。 電気のリズムが変わるたびに歩調を合わせとったら、電気はピキピキくるんやけど、痛いとかキツイことなく歩ける。 ウチの身長的にトンボは長くて重いけど、どうにかトンボからくる電気通りに動いてやった。

 目が見えないだけで、踏み出す一歩がガクガクする。 すぐ前に針があったり、崖があったりしてもわからへんし。 あるわけないと分かってるんやけど、体はどうしても強張ってしまう。
 耳が押さえられてるから、気配が全然伝わってこうへん。 ウチが普通の人間やと思っていたら、怖くて碌に動けへんかったやろうと思う。 けど最初の電流で、ウチは自分が機械と思うことにした。 電気で動くリモコンや。 ウチがトンボを引っ張るんやのうて、トンボがウチに引っ張らせるんやと思えば、目をつぶっとっても大丈夫。 耳があかんでも心配いらへん。 モノに従うみたいで癪やと思えば癪やけど、ウチはそういうのは気にせーへん。

 









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