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悪徳の性へ 
【学園物 官能小説】

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〜 便所 〜-4

 洗面所を割り当てられた14番は、他の4人が便器の内側を舐め始めたころには陶器をあらかた綺麗にしていた。 そこで例の洗浄ペーストが手渡される。 洗面所の下には大きな電気ポットが備えつけられていて、中身は30℃に調整された洗浄ペーストだった。 14番は箝口具をつけたまま、ポットの中身を小分けしてとり、トイレの各所に撒いていく。 モップがけやブラシがけなしにゴミが集まり、トイレの床も綺麗になった。 

 14番がゴミの塊を一番奥の便器にまとめて捨てたところで、13番の掃除も終わる。 2号教官がリモコンを操作すると、すべての便座に水が一斉に流れた。 

 4人が流れる様子を除いた時、13番だけは2号教官に頭を押さえられ、再び便座に潜っていた。私の周りは、信じられない様子で目を見開いているが、何ということはない。 さっきまでトイレの残り水に潜ったのだから、髪はアンモニアに浸かっている。 その匂いと汚れを新しい便水で洗い流そうというわけだ。 水はたっぷり1分近く流れ、13番は数回ボゴボゴッと気泡をもどしながらも、2号教官と一緒に個室を出てきた。

 全員の箝口具を外して洗面台上の棚に戻すと、教官は私たちに言った。

「掃除チェックは私がします。 終わったら基本的に若い番号のものが呼びにくるように。 時間は20分で、当然できていなければやり直し。 便所掃除はやり直しが多いから、注意しなさいね。 それじゃ次です。 教室に戻り、運動靴をとってから第2グラウンドへ行きます」

 嘔吐を懸命に抑える4人と、明らかに呼気不足のために真っ青になって蹲った13番を気にも留めない。 カツカツとヒールを響かせる2号教官に置いていかれまいとして、見学していたほとんどの生徒が後に続く。 この状況で誰かを気遣う余裕はないのだろう。

 私にも、余裕なんてないのだけれど。 振り向けば一人、取り残された13番。
 
「……」

 そっと列から外れ、私は13番に寄り添った。 2号教官は先頭を進んでいて、最後尾まで気は回らないだろう。 次の掃除担当は番号順にいけば16番〜20番になり、私ではない。 13番は、身体をはって『髪が汚れた場合、貯水槽の水で洗うことになる』と教えてくれた。 身体を支えてあげるくらい、罪にはならないし、誰かが支えるべきだと思う。 他の人にできないなら、私だ。

 二人とも遅れないように。 震える背中をさすりながら、脇に手を回し、13番の上体を起こすと私の意図が分かったらしい。 何も言わずに私の肩に身体を持たれかけ、どうにかこうにか立ってくれた。 13番も賢い人だ。 

 賢さと強さは同じだと思う。 強い人は、私は好きだ。 


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