投稿小説が全て無料で読める書けるPiPi's World

悪徳の性へ 
【学園物 官能小説】

悪徳の性へ の最初へ 悪徳の性へ  14 悪徳の性へ  16 悪徳の性へ の最後へ

〜 手淫 〜-1

〜 手淫 〜

 カツ、カツ、カツ。

 リノリウム製の床では、ヒールが小気味よく足音をたてる。
 30番を補号教官に預けた私は、本来の持ち場であるB棟の教室へ戻るところだ。

 カツ、カツ、カツ。

 補習Bを担任の30番に課したことには、罪悪感は全くない。 何事も最初が肝心だ。
 ほんの少しでも担任、つまり私の意に背いた場合は即刻連行される。 この恐怖が学園の生徒には必要だ。 緊張感なくして習熟はない。 甘い教官と思われてしまえば私にとって不幸だし、生徒たちにとっても同じくらい不幸なことだと思う。

 30番は大丈夫だろうか。 プログラムBは達成率が比較的高いし、私としては、無事に補習を終えて戻ってきてくれることを願うだけだ。 一度でもプログラムを受講した生徒とそうでない生徒では、平均して学習進度が3レベル違う。 戻ってきた30番は、単なる見せしめの枠を超えて、教室の生徒たちに好ましい影響を与えてくれるだろう。 

 だがしかし。
 もしも30番が永遠に戻ってこなかったら?
 ……愚問である。 その時はその時だ。

 学園では上下関係が存在し、下は上に逆らえない。 担任と生徒の関係も例外ではなく、担任は生徒に対し、生殺与奪の権が与えられている。 とはいえ厳しい指導をすれば、それに見合う代償を私自身が払わねばならない。 初日に生徒1人を失うことになれば、指導レベルではなく、懲罰に該当する可能性が高い。 冷静に考えれば、もっと穏やかにするのも理屈に合う。
 
 カツン。

 歩みを止める。 思えば私自身、学園最初の年に2度の補習を受講した。 当時私たちを受け持った教官もこんな風に、私が戻ってくることを楽観していたのだろうか。 死が脚色なく迫ってくる中、必死で頭を使い、ただただ自分を貶めることで私は生還した。 一年前の私が穴の底で呪い、恨み、憎んだ教官と同じことを、今の私は事もなげに行おうとしている。 おそらくこれからずっと、呪われ、恨まれ、憎まれるのだろう。

 人間なんてそんなものだ。 いわんや、学園での私たちは、教官を含め、全員が人権が消えた世界にいる。 人並みの幸せと称するものは少なくとも私には無縁だし、高嶺の花ですらなくなってしまった。

 カツ、カツ、カツ、カツ。

 廊下を曲がる。 【C−1】とプレートが貼られた私の教室。 中からは何の意味もない掛け声と、わずかながら嬌声がする。 部屋を後にして約30分。 どうやら牝たちは言いつけ通りに股間をまさぐっているらしい。 

 すぅー……はぁー……。
 
 一度深呼吸してドアを開く。 冷たい廊下と打ってかわって、教室内はひといきれと肉の香りでいっぱいだった。 陰毛が刈り去られた全裸の股間をつきだし、がに股で膣を広げる34人の生徒。 入ってきた私を直視するような無礼はなかったが、全員の赤らめた頬が強張った様子が見て取れた。

「「クリクリ、スコスコ、クリスコスコ! クリクリ、スコスコ、クリスコスコ!」」 

 喘ぎながら呟く少女たちを尻目に、教壇へ向かう。 

「「クリクリ、スコスコ、クリスコスコ! クリクリ、スコスコ、クリスコスコ!」」

 教卓ごしに教室を見渡す。 私と目を合わせない、それでいて私の一挙手一投足に視線が注がれている感覚。 悪くない。 指示をするのは私。 ひたすら従うのが彼女たち。 さて、私は私の役割をこなそう。 胸をはって口を開く。

「静聴。 マスターベーションについて指示をだします」

「「クリクリ、スコス……」」

 静まる教室。

 クチュ、チュプ。 粘る液音がよく聴こえる。

「絶頂許可を与えます。 30秒以内に達すること」

 我ながら甘い指示だ。 私が生徒だったころは、10秒で達しなければならないこともザラだったし、クリトリスをしごく回数に制限をつけられたこともあった。 例えば『20秒以内に3回しごいて絶頂しなさい』なんて具合だ。 それに比べれば、30秒で昂ぶればいいのだから、どうってことはない。

 ところが、どうということはないハズなのに、生徒たちは一様にポカンと手を止めている。
 私の意図が伝わっていないのか、それとも、指示が聞き取れなかったのかもしれない。 構わず腕時計の針を負う。

「10秒経過。 あと20秒」

「わ、わっ」「ひっ…!」

 呟いたとたん、生徒の手の動きが激しくなった。 指でクリトリスを弾くもの。 片手に乳房、もう片手を尻に回して肛門の下をさするもの。 めいめいが自分なりの姿勢で、懸命に自分を慰める。
いざ絶頂しようと思えば、ただクリトリスを擦り続けるわけにはいかない。 人前で恥ずべき行為に身をやつしているとは思えないほど、積極的な自慰の風景がそこにはあった。


悪徳の性へ の最初へ 悪徳の性へ  14 悪徳の性へ  16 悪徳の性へ の最後へ

名前変換フォーム

変換前の名前変換後の名前